東海地方には総延長2kmという大鍾乳洞の大滝鍾乳洞、郡上八幡美山鍾乳洞(ともに岐阜県郡上市)を筆頭に岐阜県を中心に観光鍾乳洞が数あります。静岡県の富士山の山麓には富士山信仰を今に伝える溶岩洞窟があり、探検が可能(世界文化遺産の構成資産である人穴は入洞不可のため除外)。
静岡県
駒門風穴(こまかどかざあな)|静岡県御殿場市
所在地:静岡県御殿場市駒門69
総延長:本穴290m、枝穴118.2m
洞窟内の温度:13度
歴史:1万年前の爆発で流れ出た三島溶岩流(粘り気の少ない玄武岩溶岩)でできた溶岩洞窟
概要:富士山麓では最大規模の溶岩洞窟で、国の天然記念物
天井から垂れ下がった溶岩鍾乳洞や、「千畳敷」と呼ばれる高さ20mの広いホール、「コウモリ座敷」などが見どころ
御胎内清宏園(印野胎内)|静岡県御殿場市
所在地:静岡県御殿場市印野1382-1
総延長:155m
洞窟内の温度:不明
歴史:宝永4年(1707年)の富士山の宝永大噴火(ほうえいだいふんか)で誕生した比較的に新しい溶岩洞穴で、人体の胎内(内部)を思わせる曲がりくねった構造に由来する名前
江戸時代中期から明治時代に隆盛した富士山信仰の富士講は、富士山を御神体に、富士山麓の溶岩洞穴を、木之花咲耶姫(このはなさくやひめ)の胎内とする信仰があり、
概要:溶岩流に飲み込まれた樹木の形が空洞として残った、典型的な溶岩樹型で、印野の熔岩隧道(ようがんずいどう)として国の天然記念物に指定
入口から「父の胎内」の小腸部、五臓部を経て前殿、本殿、臍帯部を通り、母の胎内の本殿、子返り、母の肋骨と続き、産道を通って外に出る仕組み
竜ヶ岩洞|静岡県浜松市
所在地:静岡県浜松市北区引佐町田畑193
総延長:1046m/400mを公開
洞窟内の温度:18度
歴史:地元の子供たちの遊び場だった小さな洞窟(昭和6年発見)を、昭和56年、地主の戸田貞雄さんと洞窟愛好家らで掘り進めたところ、全長1kmもの大洞窟が出現、昭和58年に400mを一般公開
概要:つらら石など、各種形状の鍾乳石が無数に見られる「シャンデリアの間」、「鳳凰の間」や落差30mの「黄金の大滝」などがライトアップされ幻想的
愛知県
嵩山蛇穴|愛知県豊橋市
所在地:愛知県豊橋市嵩山町浅間下92
総延長:70m
洞窟内の温度:不明
歴史:湖西連峰(弓張山地)・石巻山一帯は石灰岩中心のカルスト地形で、縄文時代早期の洞窟住居跡だったと推測され、国の史跡に
概要:縄文草創期(紀元前1万年)~早期(紀元前7000年~4000年)の貴重な遺跡
入洞にあたっては照明などはないため、懐中電灯などの持参を
岐阜県
飛騨大鍾乳洞|岐阜県高山市
所在地:岐阜県高山市丹生川町日面1147
総延長:1800m/800mを公開
洞窟内の温度:12度
歴史:昭和40年に大橋外吉(おおはしとよし)が発見
概要:標高900mの高原にあり、日本の観光鍾乳洞としては最高所に位置
第1洞~第3洞までの3つに区分され、全体を歩けば20分〜30分
入場してすぐ「竜宮の夜景」という見どころがあり、赤や青でライトアップされていますが、コケの繁殖を防ぐための工夫です
大滝鍾乳洞
所在地:岐阜県郡上市八幡町安久田2298
総延長:2km(東海地方最大級)/700mを公開
洞窟内の温度:14度〜15度
歴史:昭和44年に発見された新しい鍾乳洞で、昭和45年に観光洞として公開
概要:入洞のチケットを購入した先で、杉林のなかの急斜面を登るのが入洞者専用のケーブルカー(24名乗り/太平索道製造、所要2分)という異色のロケーション
落差30mの大滝(「神秘の大滝」)は鍾乳洞内の地底滝としては日本一の落差
縄文鍾乳洞とは管理が同じで、「縄文鍾乳洞ミステリーツアー」との共通券も発売
縄文鍾乳洞
所在地:岐阜県郡上市八幡町安久田
総延長:799m(東西100m,南北55m,高低差55mの範囲に7層になっている多層迷路型鍾乳洞)
洞窟内の温度:15度
歴史:もともとは安久田地獄穴洞窟(あくたじごくあなどうくつ)という名称でしたが、昭和45年、最上層の広間(ホール)で縄文時代早期〜晩期の縄文土器、弥生時代の土器、人骨などが発見され、縄文時代の住居跡ということから、縄文鍾乳洞と通称されるように
概要:観光洞としての運営は、大滝鍾乳洞なので、縄文鍾乳洞への入場は「縄文洞ミステリーツアー」という形で大滝鍾乳洞でのみ受付(大滝鍾乳洞観光と縄文洞ミステリーツアーのセット券も発売)
ヘルメットと懐中電灯を貸りて、真っ暗な洞内を懐中電灯の明かりのみで探勝
郡上八幡美山鍾乳洞
所在地:岐阜県郡上市八幡町美山421
総延長:2km(東海地方最大級)/800mを公開(深さ80m、東西160m、南北130mの範囲に、上下6層になって広がる立体迷路型鍾乳洞)
洞窟内の温度:15度~16度
歴史:昭和40年頃から岐阜大学の地学科によって鍾乳洞の調査が始まり、昭和43年に発掘
概要:一般観光洞の他に、ガイド同伴で専用のヘルメット、スーツ、長靴を着用し、ヘッドライトを頼りに洞内を巡る照明の無い洞窟探検専用の未開洞があり、洞窟探検(ケイビング)を楽しむことができます
関ヶ原鍾乳洞
所在地:岐阜県不破郡関ケ原町玉1328-3
総延長:518m
洞窟内の温度:15度
歴史:伊吹山登山ブームの昭和39年頃、玉倉部(たまくらべ)の清水で鍾乳石を発見した住民が、鍾乳洞の探索に乗り出し、岩倉山の麓に発見した洞窟。昭和43年に観光洞としてオープン
概要:洞内には17ヶ所ほどの見どころがあり、所要は約20分
段差がないため、車椅子やベビーカーでの入洞も可能(幅64cmまで)
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