全長5000m、国内第6位、九州最長の鍾乳洞・球泉洞(熊本県球磨村)を筆頭に、九州は鍾乳洞の宝庫です。観光洞として公開されているのは12洞あり、夏は涼しいクールゾーンになっています。地下河川、地底湖などが多いのも九州の鍾乳洞の特徴で、稲積水中鍾乳洞(大分県豊後大野市)は世界で唯一の鍾乳洞サウナに!
福岡県
千仏鍾乳洞|福岡県北九州市(平尾台)
所在地:福岡県北九州市小倉南区平尾台
総延長:1200m
洞窟内の温度:気温16度、水温14度
歴史:平尾台一帯は、中世に英彦山修験道の行場だった地
千仏という仏教的な名は、天平13年年(741年)、行基創建と伝わる願光寺(福岡県行橋市)の末寺・千仏院に由来
概要:カルスト高原・平尾台の東端に位置する鍾乳洞
入口から900mまでは照明が設置され、入口から480mから先の「奥の細道」部分は、足元に湧水が流れており、水の流れる中を探検家気分で歩くことになります(サンダルの貸し出しあり)
平尾台には200を超える鍾乳洞があるといわれますが、観光洞として公開されているのは、千仏鍾乳洞、目白鍾乳洞、牡鹿鍾乳洞の3ヶ所(延長2km以上という平尾台最大の洞窟・青龍窟は入洞できません)
目白鍾乳洞|福岡県北九州市(平尾台)
所在地:福岡県北九州市小倉南区平尾台3-1-1
総延長:2km以上、200mを公開
洞窟内の温度:14度~15度
歴史:昭和43年3月17日に学習院大学探検部(小野リーダー)が春合宿の最終日に発見
目白洞という名は、学習院のある東京・目白に由来しています
概要:階段を下り、地下河川(鍾乳洞)へと到達、日本最大級の一枚岩の天井が見どころ
受付に人がいないこともあるので、なるべくなら電話で予約をしてから出かけるのが賢明
観光化されていない北本洞(第1ホール、第2ホール、第1プール)や白蛇支洞をガイド付きで探検するケイビングツアー(有料)も実施
牡鹿鍾乳洞|福岡県北九州市(平尾台)
所在地:福岡県北九州市小倉南区平尾台2-6-58
総延長:延長403m、高低差48m
洞窟内の温度:12度
歴史:竪穴部分は地中の石灰岩が溶けてすり鉢状になっているドリーネから、水が地下に染み込み、地下の洞窟(地下河川)まで穴を貫通させた鍾乳洞=「ポノール」(ponor)
概要:珍しい竪穴の洞窟で、「恐竜の落とし穴」が謳い文句
105段の階段で25mの竪穴を下り、水平洞に到達、まさに地底探検の気分が味わえます
不定休のため事前に営業の状況を確認してからアクセスするのが賢明
岩屋第一鍾乳洞|福岡県田川市
所在地:福岡県田川市夏吉岩屋4688-1
総延長:170m(探勝コースとして整備される部分)
洞窟内の温度:不明
歴史:延暦24年(805年)、最澄が唐から帰国した際に、牛頭天王(ごずてんのう=祇園精舎の守護神)を祀ったのが始まりという古社・須佐神社の境内近くが洞口
概要:管理者がいないので安全に留意し、マナーを守って見学を
岩屋第一、岩屋第二、岩屋第三の鍾乳洞のうち、規模的には岩屋第二鍾乳洞が最大で、延長300mの水平洞ですが、見学不可
長崎県
七ツ釜鍾乳洞(清水洞)|長崎県西海市
所在地:長崎県西海市西海町中浦北郷2541-1
総延長:1600m、観光コースは250m
洞窟内の温度:14度~16度
歴史:昭和3年8月に、当時の七浦尋常高等小学校(後の西海町立南小学校、平成28年閉校)校長や職員らの数度に渡る調査で発見
概要:洞内5ヶ所(清水の滝、金明の滝、霊泉の滝、奥の滝、空滝)に滝が落ち、入口から55m地点の清水の滝は落差6mで最大
1週間前までに2名~10名のグループで「地底探検ツアー」をNPO法人西海市観光協会七ツ釜鍾乳洞事務所まで予約すれば、最深部の800mにガイド付きで入洞可能(繁忙期やイベント開催中は不可)
電気施設や通路の整備がない洞窟を匍匐前進(ほふくぜんしん)する場所も
熊本県
球泉洞|熊本県球磨村
所在地:熊本県球磨郡球磨村大瀬平野1122-1
総延長:全長5000m/国内第6位、九州最長の鍾乳洞
洞窟内の温度:16度
歴史:昭和48年に愛媛大学学術探検部が発見
概要:球磨村森林組合が運営する観光鍾乳洞で、入口付近の500mを周回する一般コース(所要30分)と、地底200mに降り立つ探検コース(所要1時間)の2コース用意
白滝鍾乳洞
所在地:熊本県球磨郡五木村白岩戸
総延長:15m
洞窟内の温度:不明
歴史:高さ70m、幅200mの石灰岩の岩壁が白滝の裾に洞口が
概要:料金箱に100円を入れると20分間、洞内を七色にライトアップ
洞内の奥には水深30mともいわれる泉があり、豊富な地下水が湧き出しています
大分県
稲積水中鍾乳洞
所在地:大分県豊後大野市三重町中津留300
総延長:1km(新生洞と水中洞に分かれています)
洞窟内の温度:16度
歴史:全国でも珍しい大規模な水中鍾乳洞は、3億年前の古生代に形成され、9万年前の阿蘇火山大噴火により水没し現在の形に
概要:令和3年3月には鍾乳洞を水風呂にした「稲積水中鍾乳洞サウナ」がオープン
稲積水中鍾乳洞の内部に、フィンランド発祥のテントサウナを設置し、洞窟内の水で身体を冷ますという世界唯一の鍾乳洞サウナ
風連鍾乳洞
所在地:大分県臼杵市野津町泊1632
総延長:500m
洞窟内の温度:15度〜16度
歴史:大正15年2月14日、地元の青年団が発見
概要:閉寒型の鍾乳洞で、外気の流入が少なく風化作用による劣化がないため、鍾乳石の光沢も素晴らしく、均整の取れた美しい形に成長
風連鍾乳洞は、新旧2つの洞からなり、旧洞は、金世界、銀世界、龍宮城の3つの区域に分かれ、銀世界には瑞雲の滝が落ちています
最大の鍾乳石である競秀峰(龍宮城)は、高さ10m、周囲16mで、専門家の間では「日本で一番美しい石筍群」とも
鹿児島県
昇竜洞|鹿児島県知名町(沖永良部島)
所在地:鹿児島県大島郡知名町住吉1520
総延長:3500m、600mを一般公開
洞窟内の温度:不明
歴史:全島が隆起サンゴ礁の島、つまりは島全体がカルスト台地
概要:沖永良部島は、水中鍾乳洞などを含め、まだまだ未知の洞窟も眠っており、「洞窟の聖地」とも呼ばれています
沖永良部島で、観光的に入洞できるのは、「おきえらぶフローラルホテル」が管理する昇竜洞だけ
鍾乳石が発達し、全国最大級のフローストーンも
ウフヤグチ鍾乳洞|鹿児島県喜界町(喜界島)
所在地:鹿児島県大島郡喜界町島中
総延長:30m
洞窟内の温度:不明
歴史:入口付近の洞窟内の地中からは、平成26年12月に中世墓(13世紀前半のものとみられる人骨1体と青磁碗1点)も発見
概要:漢字で書くと太谷口鍾乳洞、第二次世界大戦中、守備隊の防空陣地に利用されたため、鍾乳石などは破壊されています
ジャングルの中の洞窟という雰囲気から、フィリピン・ルバング島で小野田少尉の隠れた洞窟としてドラマのロケにも使用
赤崎鍾乳洞|鹿児島県与論町(与論島)
所在地:鹿児島県大島郡与論町麦屋678
総延長:本洞120m、北支洞130m、南支洞20m
洞窟内の温度:不明
歴史:昭和40年3月に日本大学探検部の学生4名が発見
延長20mの南支洞は比較的大きな広間(ほーる)で、ここから800年ほど前の人骨4片、動物骨1片が出土
概要:入洞料を支払い、ヘルメットと懐中電灯を借りて探勝
足元が悪いので汚れてもよい靴で入洞を
夏は涼しい洞窟探検! 九州おすすめ12洞 | |
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