かつて埼玉県にあった鳩ヶ谷市。
今も将軍家や朝鮮通信使が通った日光御成道の宿場町風情が、町の中心には残されています。
江戸時代初期に整備された日光御成道の宿駅だった鳩ヶ谷宿が、明治22年に浦寺村を合併、明治34年に北平柳村を編入合併して鳩ヶ谷町が誕生しました。
その後、市政を経て、平成23年10月11日に川口市に合併しています。
吸収合併の時点では、蕨市(埼玉県)に次いで二番目に「面積の小さい市」でした。
マンホールの絵柄はキジバトにモクセイ
マンホールに描かれているのは、鳩ヶ谷市の市鳥=キジバト(山鳩)と、市木=モクセイ(銀木犀)です。
なぜ、市鳥がキジバトで、市木がモクセイなのかといえば、鳩ヶ谷市のキャッチフレーズが「家庭都市」だったから。
ピンとこないフレーズですが、この鳩ヶ谷市、東京都や川口市のベッドタウンで、5割以上がそのエリアへの通勤。実は、市の一部も足立区に隣接しています。
ですから、通勤から戻ってホッとできるような町つくりが「家庭都市」だったのではないかと推測できます。
市の木がモクセイの理由=「潤いのある家庭都市を願う鳩ヶ谷市には、その緑と芳香が最適」。
前置きはさておき、旧鳩ヶ谷市の解説では、
市の鳥がキジバトの理由=「仲の良さと野生味を備えたキジバトは、自然と生活の調和を、温かいまちづくりを願う家庭都市には、最適な鳥」。
イマイチよくわかりませんが、話を先に進めましょう。
ではでは、鳩ヶ谷の地名の由来はといえば、
『国郡志』、『日本地理史料』、『大日本地名辞典』などによれば、武蔵国足立郡発度郷(はっとごう=掘津郷)が転訛したとあります。
東京都足立区から川口市にかけては縄文時代に江戸湾が浸入しており、毛長川沿いに縄文遺跡が見つかっています。
つまり台地の端(ハシ)という音がハトに転訛したとも推測できますし、窪地の意味を表す「ホト」が訛ったとも考えられます。
いずれにせよ、鳩(ハト)は当て字だということが判明します。
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