茅ヶ崎市のマンホールの絵柄は、「えぼし岩」です。
「えぼし岩」はサザンオールスターズのヒット曲『チャコの海岸物語』(作詞・作曲桑田佳祐)や『HOTEL PACIFIC』(作詞・作曲桑田佳祐)の歌詞にも登場する茅ヶ崎市のシンボル。
茅ヶ崎の海岸には、海岸沿いにサーフショップが並ぶ湘南らしい雰囲気が漂っているので、桑田佳祐ファンでなくともぜひ一度は訪れたい場所です。
ちなみに、若大将こと加山雄三も茅ヶ崎育ち。茅ヶ崎市立茅ヶ崎小学校、茅ヶ崎市立第一中学校の卒業。
「えぼし岩」は米軍が射撃して短くなった!?
えぼし岩は茅ヶ崎海岸の沖合にある岩礁群の姥島(乳母島)にある岩です。
東西約600m、南北400mに渡る複数の岩礁の中で最大の岩礁が姥島で、姥島に高さ20mの岩がそびえ立っています。
その形が烏帽子(えぼし)に見えることから「えぼし岩」と名付けられています。
茅ヶ崎市産業振興課によると、
「昔のえぼし岩は現在よりも先端部が西に長く、まさしく烏帽子のようだったのですが、戦後米軍の射撃訓練の標的にされ、先端部分が消失してしまった」
のだとか。
辻堂西海岸、茅ヶ崎市汐見台は戦後在日米海軍に接収。
在日米海軍辻堂演習場となり、昭和25年に勃発した朝鮮戦争では、ダグラス・マッカーサーの「仁川上陸作戦」の訓練もこの茅ヶ崎海岸で実施されました(茅ヶ崎での上陸訓練が朝鮮戦争を勝利に導いたとも)。
えぼし岩一帯は海上演習場「オーボー第一区域」(Area Oboe One)となり、海岸から海への直接射撃の標的となりました。
昭和28年10月の朝鮮戦争停戦に伴い、えぼし岩への射撃訓練が実質終了しています。
昭和34年6月25日、演習場は接収解除となり、茅ヶ崎市のシンボル「えぼし岩」が守られたのです。
今は平和な茅ヶ崎の海岸ですが、終戦直後にはかなりきな臭い歴史を有しているのです。
サザンの歌に登場する「えぼし岩」は、実は遠くにチラリ
サザンオールスターズのリーダー桑田佳祐の出身地は茅ヶ崎市です。
『チャコの海岸物語』では「えぼし岩が遠くに見える」と歌われていますが、実際にえぼし岩は沖合1.2kmに位置するため、残念ながら肉眼で見ると、とても小さくなってしまいます。
海水浴場「サザンビーチちがさき」にあるモニュメント「茅ヶ崎サザンC」の円の中にえぼし岩を入れて、一緒に記念写真に治めることでお茶を濁しましょう。
ちなみに、「サザンビーチちがさき」は、サザンオールスターズにあやかり、平成11年に茅ヶ崎海水浴場が改名。平成になり海水浴客が減少していたのですが、改名による「サザン効果」で海水浴客も増加しています。
もっとえぼし岩に接近したいという人は、「えぼし岩 観光遊覧船(問い合わせ:たつみ釣具店)」が通年航行となっています。
船からはえぼし岩の裏側や、海上からの江の島、運良く晴天ならば「えぼし岩越しの富士山」という絶景を得ることができます。
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