富士市のマンホールに描かれているのは駿河湾越しの富士山です。荒波に浮かぶ富士の勇姿がモチーフ。しかも縁起の良いといわれる赤富士が描かれています。
富士山のビューポイント田子の浦
富士山のお膝元、富士市内で数ある富士山を眺望する名所の中、古(いにしえ)からの絶景ポイントは田子の浦です。
「田子の浦に 打ち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」山部赤人
百人一首のこの歌を思い出す人も多いと思います。
百人一首編纂の基となった『万葉集』に詠まれたこの和歌が、古来、田子の浦が富士山の美しい姿を眺望するビューポイントであったことを証明しています。
田子の浦で波の向こうに富士山とくれば、葛飾北斎の『富嶽三十六景』でも、しっかり押さえられています(『富嶽三十六景』「東海道江尻田子の浦略圖」)。
現在の田子の浦は、駿河湾臨海工業地帯の拠点となっていますが、マンホールに描かれた富士の雄姿と荒波という光景は健在。田子の浦港の「富士と港の見える公園」には、山部赤人の歌碑も立てられています。
かぐや姫が描かれた消火栓マンホール
富士市だからって「富士山だけなんて安易!」と思ってしまうかも知れませんが、そんなことはありません。
富士市比奈(ひな)地区には『竹取物語』の主人公、「かぐや姫が生まれた」という伝説の竹やぶが残っています。
周囲は、竹採公園として整備され、『竹取物語』発祥の地を伝承する「竹採塚」もあります。
富士市にはかぐや姫が描かれた消火栓のマンホールもあるのです。
富士山と切っても切れない『竹取物語』
『竹取物語』では、月に帰るかぐや姫が、帝(みかど)に不老不死の薬を残しました。帝は「かぐや姫がいないのなら、永遠の命など意味がない」と、天に最も近い場所で薬を燃やすよう命じました。
その命を受けて大勢の兵士たちが登っていったから、その高い山を「士(さむらい)に富む山」=「富士山」と名付けたといわれています(「不死の山」という説もあるりますが・・・)。
不老不死の薬を燃やしたの煙は、今もなお山頂から雲の中へ立ち昇っているという話です。
竹採公園 | |
名称 | 竹採公園/たけとりこうえん |
所在地 | 静岡県富士市比奈2085-4 |
関連HP | 富士市公式ホームページ |
電車・バスで | 岳南鉄道比奈駅から徒歩15分 |
ドライブで | 東名高速道路富士ICから約5km |
駐車場 | 8台/無料 |
問い合わせ | 富士市役所みどりの課 TEL:0545-55-2795/FAX:0545-53-2772 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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