国土交通省によれば、「日本で一番長い国道は、国道4号で、現道部分の実延長は742.5kmあります」とのことですが、実は路線としての総延長が最長なのは、国道58号で、総延長は875.7kmもあります。鹿児島から種子島、奄美大島を経由して沖縄を結ぶ国道で、海上区間が609.5kmあるため、実延長は266.2kmということに。
鹿児島と那覇を結ぶフェリーが国道の扱いに!
国道の「海上区間」に違和感を覚える人も多いかもしれませんが、海上国道といわれる部分で、実は海上を渡る国道は24路線もあります。
「道路あるいは橋や海底トンネルなどの構造物でなくとも、フェリーボートなどによって道路と道路を結ぶ1本の交通体系としての機能があると判断できれば、国道に指定しています」(国土交通省)ということで、新潟港と佐渡を結ぶ佐渡汽船も国道350号の扱いに。
同様に四国(愛媛県西宇和郡伊方町の三崎港)と九州(大分県大分市の佐賀関港)を結ぶ国道九四フェリーも国道197号の海上区間になっています。
総延長日本一という国道58号は、鹿児島県鹿児島市から種子島、奄美大島を通り、沖縄県沖縄島の那覇市に至る一般国道。
起点は、鹿児島市(西郷隆盛銅像前交差点)で、東の鹿児島港に向かって、いきなり途切れています。
鹿児島港フェリーターミナルから種子島・西之表港(西之表市)までのコスモフェリー、鹿商海運が海上国道部分。
種子島島内では再び島を縦断する国道(陸上)となり、西之表港〜島間港(南種子町)を結んでいます。
島間港で再び道は途切れてフェリーとなり、屋久島をパスして、奄美大島までが海上国道部分。
実際には島間港から出航するフェリーは宮之浦港(屋久島)行きのみなので、ここで乗り継ぎの旅は途切れてしまいます。
そのため、鹿児島港〜奄美大島〜沖縄本島を結ぶフェリーが海上国道ということに。
マルエーフェリーの鹿児島航路(鹿児島新港〜名瀬港〜亀徳港 〜和泊港〜与論港〜本部港〜那覇港)、マリックスライン(鹿児島新港〜名瀬港〜亀徳港 〜和泊港〜与論港〜本部港〜那覇港)で、25時間ほどかかる航路となっています。
種子島、奄美大島島内の陸上部分は通らないので、陸路を横目に走る海上部分はバイパスということに。
このフェリーに乗れば、鹿児島市内の陸路部分を除いて国道58号はすべてが海上ということになりますが、「フェリーボートなどによって道路と道路を結ぶ1本の交通体系としての機能がある」(国土交通省)と判断されて、国道扱いになっているのです。
日本最長(総延長)の国道は、路線の大半が海上に! | |
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