日本は「世界一の豪雪国」ですが、名実ともに「世界一の豪雪鉄道」といえるのが、JR飯山線です。第二次世界大戦末期の1945年2月12日、国鉄飯山線(当時)・森宮野原駅(もりみやのはらえき/長野県下水内郡栄村)では、7m82cmの積雪深を記録。これが現在でも国鉄・JRの最高記録となっています。
沿線では「2階建ての家の屋根まで雪が積もる」
人口10万人以上の都市で世界一の積雪量といわれるのは青森県青森市ですが、実際には新潟県上越市の方が記録的には積雪量が多く、1927年2月13日に、新潟県中頚城郡寺野村(現在の上越市板倉区)で、積雪深8m18cmというとんでもない積雪記録を打ち立てています。
青森市の記録は酸ヶ湯で記録された5m66cm(2013年2月26日、アメダスの記録)なので10万人以上の都市としても、記録的には上越市のほうが上回っているようです。
ただし、酸ヶ湯も、上越市の板倉区も山間部で鉄道は走っていません。
線路の除雪が必要な場所ということでは、豊野駅(長野県長野市)と越後川口駅(新潟県長岡市)を結ぶJR飯山線が「世界一の豪雪鉄道」です。
グリーンシーズンに飯山線に並行する国道117号を走ると、玄関が2階にある家ばかりということに気がつくでしょう。
冬の豪雪のため、1階に玄関を配置すると除雪が間に合わず、出入りできなくなるため、2階部分に玄関を設けているのです。
森宮野原駅付近で最高積雪7m82cmを記録した時には、「2階建ての家の屋根まで雪が積もり、電柱の電線をまたぐことができた」とのこと。
飯山線の森宮野原間一帯は、沿線では日本海からの距離が最も近く30kmほど(標高290m)。
そのため日本海上から高田平野を経て、関田山脈を吹き上げて雪を降らす北西季節風を最もよく受ける位置にあることが豪雪の理由で、今でも1日に1mもの降雪を見ることがあり、大雪が降る日には積雪に応じて頻繁にロータリー式除雪車が運転されています。
森宮野原駅構内には「日本最高積雪地点」の標柱も立っていますが、地元の人の話では「数メートルの積雪は当たり前」で、1981(昭和56)年の「五六豪雪」(ごろくごうせつ)では、膨大な積雪量で沿線に雪崩の危険性が生じ、火薬による人工雪崩を1200ヶ所で起こして回避しているのです。
積雪量世界一の駅は、「世界一の豪雪鉄道」飯山線に! | |
所在地 | 長野県下水内郡栄村北信 |
場所 | 森宮野原駅 |
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