秋田駒ヶ岳では、11月10日(日)7:00頃から山体の北側で火山性地震が増加し、7:00〜9:00に129回観測しています。低周波地震や火山性微動は観測されていないため、噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続していますが、気象庁では「今後の火山活動の推移に留意してください」と呼びかけています。
1970年の噴火は、穏やかな爆発を伴うストロンボリ式噴火
秋田駒ヶ岳は標高1637.1mの男女岳(おなめだけ)、男岳(おだけ/1623m)、女岳(めだけ/1513m)、横岳(1582.5m)などの総称で、阿弥陀池を取り巻く現在の山体は、カルデラ外輪山です(1万年以上前には阿弥陀池あたりを山頂にする成層火山がありましたが、噴火で陥没)。
国土地理院の2万5000分の1地形図にも女岳には噴気マークが付けられています。
1970年の噴火では、8月29日、女岳山頂付近で噴気と地温の上昇が観測され、9月上旬には国見温泉の泉温が上昇。
9月17日5:24頃に観測された地震が噴火の開始で、9月18日20:00〜22:00に、女岳山頂噴火が確認され、9月19日11:30頃,溶岩の流出が視認されています。
このときの噴火は女岳山頂にある火口からのマグマ噴火で、旧火口の西縁からマグマが溶岩流として流れ出しています。
間欠的で比較的穏やかな爆発を伴うストロンボリ式噴火だったこともあり、多くの見物客を集めてもいます(噴火による噴出物の重量は400万トンと推定されていますが、男岳の山頂から火山活動を見物する登山者で溢れたとのこと)。
大規模な火山砂礫地の大焼砂(おおやけすな)は、1970年の噴火の痕跡です。
1970年以降も女岳の北側山腹での火山活動が認められ、平成28年、平成29にも地震が増加しましたが、爆発には至っていません。
それ以前の噴火だと1932年(昭和7年)が記録に残る噴火で、十余りの新火口が形成され、そこから火山灰や火山礫が噴出しています。
有名な乳頭温泉郷は北に離れているので、影響はありません。
秋田駒ヶ岳で火山性地震が増加! 最後の噴火は1970年 | |
所在地 | 秋田県仙北市田沢湖生保内駒ヶ岳 |
場所 | 秋田駒ヶ岳 |
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