北海道の根室本線・狩勝峠越え(現在は廃線で、「狩勝ぽっぽの道」に転用)、篠ノ井線・姨捨(おばすて)とともに日本三大車窓に数えられたのが肥薩線矢岳越え(宮崎県えびの市)。加久藤カルデラ外輪山の矢岳山(739.2m)・矢岳高原を矢岳トンネル(矢岳第一トンネル)で抜け、矢岳第二トンネルまでの間がその絶景スポット。
明治42年11月20日に誕生した絶景の車窓風景
加久藤(かくとう)カルデラ越しに霧島連山とえびの高原の絶景を眺望する大パノラマが、日本三大車窓に数えられる絶景。
現在の肥薩線は、明治42年九州を縦貫する鹿児島本線の一部として鉄道院が開設した鉄路で、昭和2年に、八代〜鹿児島間の海岸沿いに新線が開業するまでは、こちらが九州縦断の幹線だったのです。
そのため、日本三大車窓に数えられることに。
矢岳トンネル(2096.1m)は、東口(人吉側)から西口(吉松側)へとずっと下り坂。
しかも東口は半径300m、西口は半径400mの曲線で、トンネルからは大量の湧水があり、一時は、工事を担当した鹿島も掘削断念を考えたほどの難工事だったのです(現在でも矢岳トンネルからは毎分20tの湧水が噴出)。
こうした難工事の末、明治42年11月20日、鹿児島から青森まで、日本列島は鉄道で結ばれ、日本三大車窓のひとつが生まれたのです。
日本三大車窓を挟んだ、矢岳駅、真幸駅はともに経済産業省の近代化産業遺産、国の登録有形文化財に指定。
日本三大車窓・肥薩線矢岳越え | |
名称 | 日本三大車窓・肥薩線矢岳越え/にほんさんだいしゃそう・ひさつせんやだけごえ |
所在地 | 宮崎県えびの市昌明寺 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag