奈良県高取町にある壺阪寺は、大宝3年(703年)、弁基上人が開基と伝えられる古刹。それを証明するかのように境内からは藤原京時代の瓦が出土しています。京都・清水寺(きよみずでら)の北法華寺に対し南法華寺が寺の正式名で、長谷寺(奈良県桜井市)とともに古くから観音霊場として栄え、西国三十三所第6番札所にもなっています。
大観音立像に壺阪大佛が出迎えてくれる
清少納言の『枕草子』の一節に「寺は壺阪、笠置、法輪」とあるように、平安時代から霊験あらたかな寺として知られ、西国三十三所第6番札所にもなっています。
平安時代初期の仏教説話集で9世紀半ばに編纂された『日本感霊録』(にほんかんれいろく)に盲目の沙弥が壺坂寺の本尊・十一面千手千眼観世音菩薩(千手観音)への信仰で開眼治癒したという話が記されています。
この説話から人形浄瑠璃『壺坂霊験記』が創られ、十一面千手千眼観世音菩薩の功徳はさらに知れ渡ったのです。
本尊を安置した礼堂(らいどう)は、室町時代中期以前の建立と推定され、国の重要文化財。
明応6年(1497年)創建の三重塔も江戸時代に大修理をされてはいるものの往時の姿をとどめ、国の重要文化財に指定されています。
昭和58年に開眼した大観音立像は、壺阪寺のインド救ライ事業に対する感謝としてインド政府から贈られたもので高さ20m、重さ1200tもあり実に壮大。
4年7か月の歳月をかけ、日本とインドの石工のべ8万人の力で彫り上げられています。
石像としては世界最大級の大きさ。
平成4年に落慶した大石堂は、インドの有名なエローラ・アジャンタの石窟寺院をモデルにしたもの。
大涅槃石像は、平成11年の建立。
平成19年秋には大釈迦如来石像(壺阪大佛)も完成。
高さ15m(石像10m、基壇5m)でインド原産石(インドの花崗岩)製の大仏像の中では日本最大級とのこと。
なお、毎月18日(2月・6月・7月除く)は、観音縁日で、11:30~14:30の間、法話・法要が行なわれています(参加無料、要予約)。
8月の土・日曜には諸堂がライトアップされ、夜間拝観も実施されます。
西国三十三所霊場間の距離・時間
5番・紫雲山葛井寺(大阪府藤井寺市藤井寺1丁目) — (34km/1時間) — 6番・壺阪山南法華寺/壺阪寺(奈良県高市郡高取町壺阪3) — (9km/20分) — 7番・東光山岡寺(龍蓋寺/奈良県高市郡明日香村岡806)
※距離と時間はルートや交通状況により変動するため、およその目安です
壺阪寺 | |
名称 | 壺阪寺/つぼさかでら |
所在地 | 奈良県高市郡高取町壺阪3 |
関連HP | 壺阪寺公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄吉野線壺阪山駅から奈良交通バス壷阪寺行きで15分、壺阪寺下車、徒歩2分 |
ドライブで | 西名阪自動車道郡山ICから約25km |
駐車場 | 80台/有料 |
問い合わせ | 壺阪寺 TEL:0744-52-2016/FAX:0744-52-3835 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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