奈良県天理市にある墳丘長152mという巨大な双方中円墳(そうほうちゅうえんふん=前方部を両側に築いた独特な墳形)が、櫛山古墳(くしやまこふん)。古墳時代前期に築かれた柳本古墳群(やなぎもとこふんぐん)の1基で、双方中円墳は全国で4ヶ所、6例しかない珍しいかたちの古墳で、国の史跡。
築造時の墳丘の形がよく残された古墳
天理市の柳本古墳群には、渋谷向山古墳(墳丘長300m)、行燈山古墳(墳丘長242m)、黒塚古墳(墳丘長130m)という巨大な古墳があり、行燈山古墳のすぐ東側に隣接するのが櫛山古墳。
昭和23年〜昭和24年の発掘調査では、後円部から全長7.1mの竪穴式石室と長持形石棺の一部が発掘されています。
前方部東側の造り出しから、白い礫を敷き詰めた5m×3.4mの長方形の土坑が見つかり、腕輪形石製品類や鉄製品などが出土たことから、葬られた首長から新たな首長に首長権を譲る継承の儀式が行なわれたのではないかと推測されています。
隣接する行燈山古墳が、初期ヤマト王権の大王墓なので、大王の関係者、あるいは後継者の墓なのかもしれません。
出土品などから、4世紀前半に築造された古墳時代前期後半の古墳だと推測されています。
双方中円墳は、一見すると、前方後円墳ですが、よく見ると後円部の先に長方形の突出部が付いています。
目下、双方中円墳とされる古墳は、櫛山古墳のほか、明合古墳(三重県津市)、石清尾山古墳群(香川県高松市)の猫塚古墳、鏡塚古墳、稲荷山北端古墳の3基、そして西ノ城古墳(福岡県うきは市)の6ヶ所。
櫛山古墳 | |
名称 | 櫛山古墳/くしやまこふん |
所在地 | 奈良県天理市柳本町186 |
関連HP | 天理市公式ホームページ |
電車・バスで | JR柳本駅から徒歩15分 |
ドライブで | 西名阪自動車道天理ICから約8.3km |
問い合わせ | 天理市文化財課 TEL:0743-65-5720 FAX:0743-65-5720 |
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