ういろ(ういろう)は、米粉をベースにした和菓子。名古屋名物として有名ですが、名古屋人なら誰でも知っていて、それ以外ではほとんど知られていないのが名古屋銘菓の「ないろ」。実は、名古屋の大手ういろメーカー・大須ういろのオリジナル商品が「ないろ」で、「ういろ」と羊羹の中間バージョンです。
「蒸し羊羹」と「ういろ」の中間の風味と味わい

大須ういろの定番商品が「ういろ」ですが、商標を取得しているオリジナル商品「ないろ」。
中京圏で流れる「ぼんぼんぼ〜んと時計が三つ」の歌いだしで始まるCMソングでも締めは「大須ういろとないろです〜」ということに。
大須ういろによれば「ういろ(ういろう)を漢字で書くと外良(もしくは外郎)、ないろは内良」ということで、まさしく対になった商品という設定。
セットで購入して土産にすれば、「外に良し、内に良しという縁起菓子」なのだとか。
大須ういろは、戦後間もない昭和22年、名古屋の繁華街、大須観音に近い大須で創業。
ないろは、昭和32年に誕生していますから、70年近い歴史ある和菓子ということに。
生地に小豆のこしあんを練り込んで蒸し上げたのが「ないろ」。
大須ういろはういろにも、抹茶、さくら、白などのバリエーションがあるので、あんういろでもいいような気がしますが、大須ういろによれば、最大の違いは原料の違いによる食感とのこと。
ういろの「もっちり」に対し、ないろは「しっとり」。
この「しっとり」感を生むのは、ないろの原料は、米粉のほかに小麦でんぷん(小麦の胚乳部分から抽出される炭水化物)を含んでいるからなのです。
ういろは米粉だけですが、小麦でんぷんを使うことで、独特の風味と食感が生まれているのです。
この点に関しては、実は名古屋人もあまり知らない原料の話、単なる「ういろ」+「あん」ではないということになります。
小麦粉を使う「蒸し羊羹」と、米粉を使う「ういろ」の中間的な存在です。
ただし、2020年12月にはグルテンフリーの生ういろ「初 うい」のバリエーションのひとつとして、米粉のみで手がけたグルテンフリーの「ないろ」も誕生。
「初 うい」バージョンの「ないろ」、「栗蒸し羊羹」ならぬ「栗ないろ」なども発売されているのです。
名古屋駅などに立ち寄る機会があったなら、ぜひ一度、大須ういろの「ないろ」の購入を。

| 「ういろ」と「ないろ」は何が違う!? | |
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