佐渡島の中央部に広がる国中平野、佐渡市新穂(にいぼ)地区にあるトキの保護増殖事業を行なう佐渡トキ保護センターに隣接するのがトキの森公園。「トキ資料展示館」と「トキふれあいプラザ」を見学することで、トキの生態を学び、実際のトキの姿を観察することができます。佐渡島内のトキの推定個体数は300羽前後と推定されています。
野生では絶滅したトキを人工増殖
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トキの学名はNipponia nippon(ニッポニア・ニッポン)。
新潟県の「県の鳥」、佐渡市の「市の鳥」にもなっています(日本の「国鳥」はキジ)。
トキは江戸時代までは蝦夷地(北海道)から琉球(沖縄)まで全国に分布、生息する野鳥でしたが、明治時代に狩猟で激減、ついに保護鳥となりました。
昭和初期には100羽ほどとなって、昭和27年に24羽まで減少し、特別天然記念物に指定。
絶滅の危機を迎えていました。
昭和28年に佐渡で佐渡朱鷺愛護会(佐渡とき愛護会)が結成され、昭和43年に新潟県トキ保護センターが設置され、本格的な保護が始まります。
昭和56年に野生のトキ5羽を捕獲し、人工増殖への取り組みを開始。
平成5年、佐渡トキセンターを建設し、平成11年、中国から友友(ヨウヨウ)と洋洋(ヤンヤン)を贈られて、日本初となる飼育下繁殖となる優優が誕生しています。
平成15年には、日本産トキ「キン」が死亡し、中国から贈られた子孫の増殖が行なわれているのです。
平成20年に第1回の放鳥を実施し、今では300羽あまりのトキが佐渡のどこかで観察できるほどに増えています。
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「トキふれあいプラザ」でトキに間近でご対面!
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自然に近い生息環境を再現し、トキの飛翔、採餌、巣作りなどを間近で観察することができる「トキふれあいプラザ」、トキの保護増殖に関するパネル、映像・音声資料、日本野生産最後のトキ「キン」の剥製、骨格標本などが展示する「トキ資料展示館」がありますが、まずは展示館でトキの生態を学んでから、「トキふれあいプラザ」で実際のトキの行動を観察するのがおすすめです。
公園となった園内は散策にも絶好で、日本野生産最後のトキ「キン」の顕彰碑も立っています。
佐渡産枝豆で作る売店の「枝豆ソフト」も人気。
隣接するトキ保護センターでは、5棟の飼育繁殖ケージ、隔離検疫用ケージ、ヒナを育てるための育すうケージ、管理研究棟などが配され、トキの人工増殖に取り組んでいます。
トキの野生復帰を行なう「野生復帰ステーション」は山麓の新穂正明寺地区にあり、順化ケージなどを使って飛翔・採餌訓練した後に放鳥しています。
また、トキの暮らしやすい生態系実現のため、減農薬への取り組みも並行して行なわれ、「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」などもつくられています。
こうした努力が認められて、「トキと共生する佐渡の里山」は、世界農業遺産(GIAHS)にも認定されています。
トキの森公園、トキ交流会館、野生復帰センター、羽茂セーブオン周辺の田んぼはとくに目撃例が多い場所です。
車から降りて撮影しない、トキにあまり近づき過ぎないのがマナーです。
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トキの森公園 | |
名称 | トキの森公園/ときのもりこうえん |
所在地 | 新潟県佐渡市新穂長畝383-2 |
関連HP | トキの森公園公式ホームページ |
電車・バスで | 両津港(佐渡汽船旅客ターミナル)からタクシ-で20分 |
ドライブで | 両津港(佐渡汽船旅客ターミナル)から約8km |
駐車場 | 85台/無料 |
問い合わせ | トキの森公園 TEL:0259-22-4123/FAX:0259-22-4123 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材協力/新潟県観光協会、佐渡観光協会
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