激レアな「鉄道郵便車」が、のと鉄道・能登中島駅で静態保存

能登中島駅・鉄道郵便車

石川県七尾市中島町、のと鉄道七尾線・能登中島駅の旧貨物用側線に静態保存されるのが、今では保存車両としても超レアな鉄道郵便車(オユ10形)。能登線・甲駅(かぶとえき)に保存されていたものですが、平成17年4月1日の能登線廃止に伴って、能登中島駅に移設されたもの。

車内で郵便の仕分けも行なった「走る郵便局」

能登中島駅・鉄道郵便車

国鉄10系客車は、国鉄が昭和30年に開発し、その後量産した軽量構造の客車で、ナハ10形、ナハ11形ともに三等客車、ナハフ10形、ナハフ11形 はブレーキを備えた三等緩急車(かんきゅうしゃ)、ナロ10形は特別二等車。
さらに三等寝台車のナハネ10形、ナハネ11形、 二等寝台車のオハネ17形、オロネ10形、ナハネフ11形(二等寝台緩急車)、食堂車のオシ17形、オシ16形など多彩な顔ぶれの車両が製造され、各地で活躍しました。
「碓氷峠鉄道文化むら」(群馬県安中市)にも三等緩急車のナハフ11 が静態保存されています。

そんななかで、郵政省所有の区分室郵便車として昭和32年に製造されたのがオユ10形、オユ11形。
車内に郵便物を区分するための設備を設けたまさに「走る郵便局」で、郵袋数600個(冷房改造車は532個)を積むことができました。

車体の色は当初はぶどう色2号、のちに青15号に塗装されています。

能登中島駅に静態保存されるのは、オユ10 2565で、昭和44年に新潟鐵工所で製造された一般形オユ10 2045に、昭和51年、耐寒改造と電気暖房取付を施した車両です。

オユ10の「オ」は、32.5t以上37.5t未満のボギー客車の意。
客車は機関車に牽引されることから、常に重量が重要で、「オ」は重量記号ということになります。
「ユ」は郵便の頭文字をとったもので仕分けも行なえる郵便車を表しています。

民間ボランティア団体「鉄道郵便車保存会」が維持管理し、以前は車内の見学も可能でしたが、「令和6年能登半島地震」後は、見学が中止となっています(特別公開時にのみ車内の見学可能)。
外観のみ見学が可能。
今後の車内公開は、のと鉄道との協議を行ない、可能と判断してからとなっています。

昭和39年の『郵便線路幹線図』
激レアな「鉄道郵便車」が、のと鉄道・能登中島駅で静態保存
所在地 石川県七尾市中島町浜田ノ1-2
場所 能登中島駅/のとなかじまえき
関連HP のと鉄道公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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