原城跡

原城跡

島原半島南部、現在の南島原市にある原城跡は、周囲4kmの三方を有明海に囲まれ、難攻不落の天然の要塞だった原城(有馬城、日暮城)の城跡。本の丸、二の丸、三の丸、天草丸、出丸などで構成される城跡は原城跡公園として整備されています。有明海に突き出した岬を利用した、長崎県最大の平山城で国の史跡。世界遺産、「続日本100名城」にも選定。

天草四郎率いる一揆軍が立てこもった島原の乱の主戦場

原城跡
本丸からの眺め
原城跡
海を見つめる3体の石仏


キリシタンが何をきっかけとして「潜伏」することになったのかを示す重要な場所として世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産にもなっています。

明応5年(1496年)、当時島原を領有し、26万石といわれた戦国大名・有馬貴純(ありまたかずみ)が日野江城の支城として築いたのが始まり。

元和2年(1616年)の一国一城令により、肥前日野江藩初代藩主・松倉重政(まつくらしげまさ)が島原城を築城して原城は廃城となっていますが、寛永14年10月25日(1637年12月11日)勃発の島原の乱で一揆軍が籠城したことで知られています。

松倉勝家が領する島原藩、そして寺沢堅高が領する唐津藩の飛地・肥後天草諸島の領民は、過酷な税とキリシタン迫害から立ち上がり、江戸時代で最大の農民一揆へと発展します。

天草四郎(あまくさしろう)率いる3万余人の一揆軍が12万もの幕府軍を相手に最後の一人になるまで闘いをやめなかったと伝えらるほどの激戦となり、その主戦となったのが原城の籠城戦。

寛永15年1月1日(1638年2月14日)、総大将の板倉重昌(いたくらしげまさ=板倉勝重の次男、三河深溝藩主)は小西行長の元家臣・三会村金作(駒木根友房)の放った鉄砲の直撃を受けて戦死し、その後、幕府側は松平信綱率いる九州諸侯の増援軍を含めて12万という大軍で原城を取り囲みます。

さらにオランダ商館長クーケバッケルは、デ・ライプ号とベッテン号を島原に派遣し、海上から艦砲射撃を行ないます。
これは、キリシタンが多かった一揆軍がポルトガルからの援軍を期待することに対して、士気を削ぐという効果も狙いにありました(当時、ポルトガルとオランダはオランダ・ポルトガル戦争を戦っていました)。

幕府の総攻撃で女子供も皆殺しに

原城跡
櫓台石垣
原城跡
本丸石垣

寛永15年2月28日に始まった(実際には鍋島勝茂の抜け駆けで2月27日に攻撃開始)、幕府軍の総攻撃で、女性や子供まで皆殺しになったという悲劇を生み、発掘調査でも本丸跡から大量の人骨や十字架、ロザリオの珠が出土しています。

総攻撃の際の幕府軍の総大将だった松平信綱の子・松平輝綱(まつだいらてるつな=武蔵川越藩第2代藩主)は『島原天草日記』に「剰つさえ童女の輩に至りては、喜びて斬罪を蒙むりて死なんとす、是れ平生人心の致すところに非らず、彼宗門に浸々のゆえ也」と、キリシタンが殉教として喜んで死を受け入れていることが記されています。

この原城を舞台にした島原の乱により、幕府はオランダに接近し、鎖国令の強化とキリシタン弾圧の徹底を図り、幕末までその政策は揺るぎませんでした。

発掘調査で虎口跡などの遺構が明らかに

原城跡
池尻口門跡
原城跡
本丸虎口跡

原城は、往時には有明海に臨む本丸を中心に、北に西二の丸・東二の丸・北三の丸・南三の丸・鳩山出丸、そして西南に天草丸の各郭がありましたが、廃城令による破却と島原の乱と乱後の徹底した破壊などで遺構は残されていません。
平成12年の調査で南北90m、東西80mという国内最大級となる虎口(こぐち=正面の出入口)遺構と、城内の主通路には玉砂利が敷かれていたことが判明しています。

本丸跡には、十字架と地元南島原市出身の彫刻家・北村西望による祈りをささげる天草四郎像、西有家町の民家の石垣に埋もれていた天草四郎の墓石が立っています。

大手門は原城温泉真砂の建つ北東側にありました。
本丸跡には海岸へと抜ける抜け穴跡(見学不可)、天草四郎の居宅跡(本丸門跡)なども見つかっています。

原城は、世界ジオパークである島原半島ジオパーク(Unzen Volcanic Area Geopark)のジオサイトにもなっています。
原城のある台地は、9万年前に起こった阿蘇火山の大噴火による火砕流がつくったもの。
その地層には雲仙火山のものとは性質が異なる白い軽石が含まれています。

原城跡
天草四郎時貞の墓碑
原城跡
北村西望作の天草四郎像

原城跡 DATA

名称 原城跡/はらじょうせき
Hara-jo(Hara Castle)
所在地 長崎県南島原市南有馬町乙
関連HP 南島原市公式ホームページ
電車・バスで 口之津港からタクシーで15分
ドライブで 長崎自動車道諫早ICから約51km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 南島原市商工観光課TEL:0957-73-6632/FAX:0957-82-3086
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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2018年2月17日
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