長崎県長崎市浜町にある慶応2年(1866年)、伊予藩士・吉田宗吉信武が、脱藩して茶碗蒸しと蒸し寿司の専門店として創業したのが始まりという老舗、吉宗本店(よっそうほんてん)。以来、変わらぬ味と伝統を受け継ぎ、郷土料理のひとつとして地元長崎の人たちに親しまれてきました。
元祖茶碗蒸し(夫婦蒸し)で名高い名店
茶碗蒸しは、寛政年間(1789年〜1801年)、京、大坂に始まり江戸、長崎に広まった料理。
吉田宗吉信武(よしだそうきちのぶたけ/旧姓は安宅・あないで、吉田家の婿養子に)は、長崎の肥前藩邸に出入りすることで、茶碗蒸しを知り、魚問屋などの並ぶ万屋町(現在の浜町)に「吉宗」を開店したのです。
肥前藩邸で目にした茶碗蒸しに、酢飯を蒸し、あなごのかば焼き・魚のおぼろ・卵焼きをのせた蒸し寿司を添えたことで大人気に。
当主は、7代目・吉田宗由さんで、「一子相伝」の味として吉宗の茶碗むしを受け継いでいます。
浜町にある吉宗本店の建物は、昭和2年築の貴重な木造3階建てで、赤い提灯が目印。
1階がバリアフリーの和風レストラン、2階が椅子席中広間、お座敷の大広間になっています。
看板メニューは創業当時からの茶碗蒸しと蒸し寿司がセットになった「夫婦蒸し」ですが、初めて目にした人は、茶碗蒸しの器の大きさに驚かされることでしょう。
オリジナルの有田焼の丼は、なんと直径が13cmもあり、なめらかな茶碗蒸しの中には、穴子や鶏、かまぼこなど9種の具が詰まっているのです。
茶碗むし・蒸寿し揃に小鉢などがセットになった茶碗むし定食、豪華な吉宗定食も用意されています。
ほかに、長崎の幕の内のルーツという幕の内弁当、長崎産の鯖に白板昆布を使った「吉宗特製 ばってら」や角煮、長崎伝統の卓袱(しっぽく)料理、ミニ卓袱料理、さらには天丼、カツ丼などの丼物、ちらし寿司、にぎり寿司、天婦羅定食などの定食も味わうことができます(年末年始・GW・お盆・ランタンフェスティバルなどの繁忙期には卓袱料理、ミニ卓袱料理は休止)。
吉宗本店 | |
名称 | 吉宗本店/よっそうほんてん |
所在地 | 長崎県長崎市浜町8-9 |
関連HP | 吉宗本店公式ホームページ |
電車・バスで | 路面電車観光通り電停から徒歩2分 |
ドライブで | 長崎自動車道長崎ICから約5.5km |
駐車場 | なし/周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 吉宗本店 TEL:095-821-0001/FAX:095-821-9967 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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