鯨賓館ミュージアム

鯨賓館ミュージアム

長崎県南松浦郡新上五島町、五島列島・中通島の有川港にある有川港ターミナルに併設されるのが鯨賓館ミュージアム。江戸時代から「鯨のまち」として栄え、捕鯨が町発展の基礎を築いた有川郷の歴史、上五島の捕鯨文化、さらには上五島の教会を詳細に解説するミュージアムとなっています。

鯨、上五島の教会、遣唐使が3大テーマ

鯨賓館ミュージアム

平成16年に完成した有川港ターミナル(有川港多目的ターミナル)の内部にある有川の捕鯨文化をメインに紹介するミュージアム。
1階と2階に分かれ、1階部分は、鯨、上五島の教会、そして日本遺産「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」(遣唐使の足跡)の3コーナーの展示があります。

鯨コーナーの「有川湾の捕鯨」では、古式捕鯨業時代の長崎県の鯨組、有川鯨組、鯨の供養塔などをパネルで紹介し、古式捕鯨時代に使用された包丁、銛(もり)などを展示しています。
五島での捕鯨方法は、突取(つきとり)式捕鯨法から網取式捕鯨法、そしてノルウェー式捕鯨法(近代捕鯨)へと移り変わっています。
ノルウェー式捕鯨法(近代捕鯨)を日本で初めて取り入れたのも捕鯨先進地の有川です。
人々がどのように鯨にかかわり、鯨を大切にしていたのかが展示からはよくわかります。

「黒潮の宿 臨海荘」(千葉県勝浦市)に併設の「黒汐資料館」に収蔵される『肥州五島浦鯨突之絵図』は、鯨を捕獲する時の4つの場面が一枚の絵に描かれたもので、有川鯨組の旗印、案中島、弁財天宮などから有川湾の絵であることがわかります。
鯨賓館ミュージアムでは『肥州五島浦鯨突之絵図』をもとに簡易アニメーション化し、網取り式捕鯨法の様子をわかりやすく紹介しています。

上五島の教会コーナーでは、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となっている頭ヶ島天主堂(国の重要文化財)を中心に新上五島町にある29の教会を紹介。
頭ヶ島天主堂、田平天主堂、青砂ヶ浦天主堂、大曽教会、堂崎天主堂など教会建築で有名な大工棟梁・鉄川与助(鉄川與助)は、南松浦郡魚目村(現新上五島町)出身。
設計図や愛用の大工道具などを展示しているので、こちらも注目です。

日本遺産「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」コーナーでは、新上五島町の遣唐使が寄航した足跡を解説しています。

2階の展示室は、新上五島町出身で、第50代横綱佐田の山関を紹介する「横綱佐田の山関コーナー」です。

また、有川港ターミナルには天井から実物大のクロミンククジラ(全長9.6m、メス)の模型、骨格標本がぶらさがっていますが、こちらも展示物のひとつ(ミュージアム外展示)。
有川港ターミナルの外には捕鯨砲、クロー(鯨の尾を掴む装置、尾羽はさみ)も展示されているので合わせて見学を。

有川港ターミナル周辺の海童神社(かいどうじんじゃ)、鯨見山(くじらみやま)、鯨供養碑(くじらくようひ)、弁財天宮(めーざいてんぐう)、原眞一顕彰碑(はらしんいちけんしょうひ)が有川捕鯨関連文化遺産として水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選定されているので、鯨賓館ミュージアムを起点に散策も可能。

画像協力/長崎県観光連盟

鯨賓館ミュージアム
名称 鯨賓館ミュージアム/げいひんかんみゅーじあむ
所在地 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷578-36 有川港ターミナル内
関連HP 鯨賓館ミュージアム公式ホームページ
電車・バスで 有川港からすぐ
ドライブで 有川港からすぐ
駐車場 200台/無料
問い合わせ 鯨賓館ミュージアム TEL:0959-42-0180/FAX:0959-42-0428
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
有川港ターミナル

有川港ターミナル

長崎県南松浦郡新上五島町、五島列島・中通島の玄関港が有川港。平成16年に完成した多目的ターミナルが有川港ターミナルで、九州商船の長崎港への高速船、九州商船の佐世保港へのフェリー、高速船、小値賀港・宇久平港への高速船が出航。実物大のクロミンク

海童神社

海童神社

長崎県新上五島町、五島列島・中通島(なかどおりじま)にある有川地区は、江戸時代から「鯨のまち」として栄え、捕鯨が町発展の基礎を築いた土地。その有川地区に建つ海童神社(かいどうじんじゃ)は、ナガスクジラの顎骨(あごほね)で造られた鳥居がある社

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ