壱岐島のほぼ中央、長崎県壱岐市芦辺町にある直径14m、高さ2mの円墳が大塚山古墳。『魏志倭人伝』に記載される「一支国」の王都、原の辻遺跡近くに築造される古墳時代中期の5世紀後半頃の古墳。壱岐の古墳ではもっとも初期の築造のため、弥生時代勢力の流れを汲む首長墓と推測でき、長崎県の史跡に指定されています。
原の辻遺跡近くにある円墳で、壱岐最初の古墳
大塚山古墳には、竪穴系の横穴式石室があり、竪穴式石室から横穴式石室への過渡期のものだと推測できます。
石室の左右の壁が赤いのはベンガラが塗られていたから。
天井石は失われていますが、安政2年(1855年)に、安国寺の白華(びゃっけ)和尚による調査が行なわれているので、安国寺の座禅石がそうではないかといわれています(大塚山も白華和尚が命名)。
壱岐島には長崎県の半数に及ぶ古墳265基が残存していますが、俵山古墳とともに、もっとも初期の古墳がこの大塚山古墳です。
原の辻遺跡の終焉から、大塚山古墳の築造まで、100年間にわたっての居住を示す遺跡が見つかっていないため、まだ謎の多い古墳となっています。
その後、6世紀後半には壱岐島で古墳築造の全盛期を迎えていますが、古墳が築かれているのは壱岐島中央部の高台で、壱岐古墳群(国の史跡)となる双六古墳、対馬塚古墳、笹塚古墳、兵瀬古墳、掛木古墳、鬼の窟古墳の6基などがあります。
大塚山古墳 | |
名称 | 大塚山古墳/おおつかやまこふん |
所在地 | 長崎県壱岐市芦辺町深江栄触 |
電車・バスで | 郷ノ浦港からタクシーで15分 |
ドライブで | 郷ノ浦港から約9km |
問い合わせ | 壱岐市社会教育課文化財班 TEL:0920-45-2728 |
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