備中鐘乳穴

備中鐘乳穴

岡山県真庭市の吉備高原北端にある鍾乳洞が備中鐘乳穴(びっちゅうかなちあな)。総延長約800mのうち、約300mが観光洞として公開されています。文献に残る鍾乳洞としては日本最古で、備中国から年60斤の鍾乳石を朝廷への貢ぎ物として差し出したという記録も残されています。洞内の気温は約9度と肌寒く、夏でもひんやり。

文献に残る日本最古の鍾乳洞

平安時代編纂の『日本三大実録』と『日本文徳天皇実録』に備中鐘乳穴の鍾乳石の破片を朝廷へと運び、薬石として使ったことが記されています。

正倉院に保管される古代石薬のひとつに鍾乳床(しょうにゅうしょう)がありますが、炭酸カルシュウムを主成分とする鍾乳石の破片。
口の渇きを止める止渇薬(しかつやく)、利尿薬などに使われていました。

備中鐘乳穴の洞内には日本最大の石筍といわれる高さ3m、直径5mの「洞内富士」、「夢の宮殿」と名付けられた大広間、22階層からなる鍾乳石の「五重塔」など、洞内には見どころも多数。

入口付近の岩壁では、6月下旬〜7月上旬に珍しいキンボタル(ヒメボタル)が観察できるため、期間中の土日は鍾乳穴を夜間開放、鑑賞会が行なわれています。

真庭市上水田、阿口、下呰部(以上、旧北房町)一帯には石灰岩台地の上房台が広がり、備中鐘乳穴のほかに岩屋の穴(総延長600mの鍾乳洞)、上野呂カルストがあります。

備中鐘乳穴
名称備中鐘乳穴/びっちゅうかなちあな
所在地岡山県真庭市上水田井殿8854-1
関連HP備中鐘乳穴公式ホームページ
ドライブで中国自動車道北房ICから約5km
駐車場160台/無料
問い合わせ備中鐘乳穴 TEL:0866-52-2962
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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