沖縄本島南部、久高島を眼前にする南城市(旧玉城村)にあるグスク(城)が玉城城(たまぐすくぐすく)。玉城(たまぐすく)の久高島には琉球開闢の神・アマミキヨが上陸したといわれ、その聖地が残されていますが、玉城城も城としては規模が小さく、夏至の日の出が城門からなど、聖地としての雰囲気が色濃く残され、国の史跡になっています。
琉球開闢のアマミキヨの築城伝説が残る聖地
琉球で12世紀に誕生し、沖縄全域で300は現存するといわれるグスク。
一般に城と表記されますが、御嶽(ウタキ)と呼ばれる拝所があることから、聖地でもあったのです。
玉城(たまぐすく)には琉球開闢の神・アマミキヨが上陸したといわれ、わずか4kmの道沿いに玉城城、垣花城、ミントン城、糸数城が並び、「グスクロード」と呼ばれています。
築城の歴史は定かでなく、『島尻郡誌』には、「アマミキヨが築いた城であるとの伝説があって、城主はアマミキヨの子孫即ち、天孫子であったと伝う」と記されています。
伝説でアマミキヨが築いたされる玉城城は、13〜14世紀頃には玉城按司(あじ=地方豪族、領主)の居城であったとの説もあります。
一の郭(主郭)の城門、御嶽などが現存
天然の要害に建ち、一の郭(主郭)、二の郭、三の郭からなる連郭式の山城で、一の郭(主郭)部分は標高180mの頂上にあるため眺望は抜群。
ただし一の郭以外の石垣などの石材は戦後、米軍基地建設の建築材として持ち出され、今はわずかな根石を残すのみとなっています。
急な崖の道を登ると、東北東に自然の岩をくり抜いてつくられた城門がありますが、これが一の郭。
玉城城の城門は、あがるい(東北東)に向けて口を開き、ニライカナイ(理想郷)に通じるとされています。
夏至には城門から朝日が差し込む神秘的な光景を目にすることが可能。
城門をくぐった一の郭からは、太平洋や奥武島(おうじま)、久高島(くだかじま)などが一望のもと。
またここは別名アマツヅグスクとも呼ばれ、城内には「天つぎあまつぎ」の御嶽(神名「アガル御イベ、ツレル御イベ」)があります。
王朝時代は国王自ら雨乞いを祈願した聖域で、現在もアマミキヨ渡来伝説の聖地をめぐる「東御廻り(アガリウマーイ)」の地として崇められているのです。
玉城城 | |
名称 | 玉城城/たまぐすくぐすく |
所在地 | 沖縄県南城市玉城玉城門原444 |
関連HP | 南城市公式ホームページ |
ドライブで | 那覇空港道路南風原北ICから10.7km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 南城市観光商工課 TEL:098-917-5387 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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