沖縄県宮古島市、伊良部島の佐和田の浜と、下地島・下地島空港との間に広がる内海に築かれているのが、魚垣(ながき)。カタバルイナウ(内海のイノー)と通称される佐和田の浜の礁湖に、優れた漁場として島の人々の生活を支えてきたのがサンゴ礁の海に築かれた石垣の魚垣で、地元ではカツと呼ばれています。
遠浅の海と干満を利用した漁法を今に伝える石垣
沖から岸に向かって放射状に石垣を築き(全体の広さは3ha)、魚の逃げ場を1ヶ所だけ用意したのが魚垣(放射の頂点側が出口で、出口の水路部分は幅50cm、長さは3m)。
満潮時に魚が石垣に沿って泳ぎ、出口に網を張って、潮が引いた時を待って魚を採るという漁法で、まさに一網打尽の方法です。
波で壊れないため二重に積まれ、水深にあわせた高さ(深い場所で1m、浅い場所は50cm)が確保されています。
干潮時には佐和田の浜に海に伸びる石垣が出現するので、お見逃しなく。
魚垣が最初に築かれた年代は定かでありませんが、1771年4月24日(明和8年3月10日)の明和の大津波(八重山地震での大津波)以降だと推測され、現存する魚垣は、1850年頃、善平マツが整備したといわれています。
佐和田の浜に点在する津波石に隠れた魚を捕獲するうちに、魚垣を築くという方法を考案したとされ、現在も使用可能な状態で保存されています。
佐和田の浜・魚垣 | |
名称 | 佐和田の浜・魚垣/さわだのはま・ながき |
所在地 | 沖縄県宮古島市伊良部佐和田 |
関連HP | 宮古島市公式ホームページ |
電車・バスで | 下地島空港から徒歩35分 |
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