不退寺

不退寺

奈良市にある不退寺(ふたいじ)は、『大和國金龍山不退寺縁起』によれば、承和14年(847年)、平城天皇(へいぜいてんのう)が退位後暮らした「萱の御所」に、孫の在原業平(ありわらのなりひら)が自ら刻んだ仏像を安置し、「不退転法輪寺」と号して開基、仁明天皇の勅願所となったと伝わる寺。業平寺とも呼ばれています。

在原業平の開基と伝わる奈良の古刹

不退寺
キショウブ(黄菖蒲)咲く春
不退寺
秋の不退寺

養和元年(1181年)、平重衡による南都焼討のために諸堂が炎上し、鎌倉時代に西大寺の興正菩薩叡尊が再興しています。

中世には南都15大寺の一つとして繁栄。
鎌倉時代後期の建築で、大仏様式最期の形を伝える本堂(国の重要文化財)には、業平の自作といわれる本尊木造聖観音像(業平観音とも)と、その周囲に五大明王像、地蔵菩薩像が祀られています。

また、棟札から正和6年(1317年)築と判明した南大門は、南都15大寺の繁栄を今に伝える壮大な門で鎌倉時代中期築の多宝塔とともに国の重要文化財に指定されています。

境内には500種類もの四季折々の花が植栽される「花の寺」。
春のレンギョウ(3月下旬~4月上旬)に始まり、キショウブ(黄菖蒲/5月上旬~下旬)、スイレン(6月上旬~11月)、萩、業平椿(11月~5月)などが美しく咲き誇ります。
紅葉の見頃は例年11月下旬頃。

本堂の内外陣を仕切る緑青(ろくしょう)で塗られた「業平格子」(なりひらこうし=吹寄菱欄間)は在原業平が好んだ柄という。

なお在原業平は、元慶4年5月28日(880年7月9日)没で、毎年5月28日には『業平忌(開山忌)』が行なわれ、真言八祖の絵が描かれた多宝塔(重要文化財)が開扉し、参詣者に公開されています。

不退寺
名称 不退寺/ふたいじ
所在地 奈良県奈良市法蓮東垣内町517
関連HP 不退寺公式ホームページ
電車・バスで 近鉄奈良線新大宮駅から徒歩15分
ドライブで 京奈和自動車道木津ICから約3.5km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 不退寺 TEL:0742-22-5278/FAX:0742-22-5278
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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