四天王寺・石鳥居

四天王寺・石鳥居

大阪市天王寺区にある日本最初の官寺・四天王寺(聖徳太子建立七大寺のひとつ)。中心伽藍の西側、西門のさらに外側に立つのが石鳥居。鎌倉時代の永仁2年(1294年)、四天王寺別当となった忍性(にんしょう)が石造の明神鳥居として再建したもので、国の重要文化財。現存する最古の石造鳥居となっています。

春分・秋分の日には鳥居中心線に太陽が沈む

四天王寺・石鳥居

鳥居上部の嘉暦元年(1326年)鋳造の扁額には「釈迦如来 転法輪処 当極楽土 東門中心」と記され、この地が釈迦如来が仏法を説いている場所で、ここが極楽の入口であるとの意です。
西の海に沈む夕陽を拝む場所で、現世から西方極楽浄土に通じる救いの門として信仰されてきました。
平安時代末期に四天王寺の西門が極楽浄土の東門に接しているという信仰が確立し、浄土信仰の隆盛とともに、阿弥陀如来のいる極楽浄土に導いてもらおうと、人々は祈りを捧げたのです。
春秋の彼岸の中日(春分の日と秋分の日)には、四天王寺の石鳥居から西を見ると、太陽がちょうど石鳥居の中心を通り、六甲山系と淡路島の中間の水平線に沈みます。
彼岸の中日には西門から鳥居に沈む太陽を拝む『日想観』法要(西方浄土を思って日が没する様子を見詰め、般若心経を唱える法要)が行なわれています。

寺に鳥居があるのは神仏習合の名残。
何度も修復され、現在に至っています。

安芸宮島の厳島神社大鳥居、吉野の金峯山寺銅の鳥居(きんぷせんじかねのとりい)と並んで「日本三大鳥居」にも数えられています。

四天王寺・石鳥居
名称 四天王寺・石鳥居/してんのうじ・いしどりい
所在地 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
関連HP 四天王寺公式ホームページ
電車・バスで JR大阪環状線天王寺駅・近鉄あべの橋駅から徒歩15分、地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ヶ丘駅から徒歩5分
ドライブで 阪神高速1号環状線夕陽丘ランプから約1.5km
駐車場 タイムズ駐車場(35台/有料)
問い合わせ 四天王寺 TEL:06-6771-0066/FAX:06-6773-4921
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日本三大鳥居

日本三大鳥居とは!?

鳥居というと神社を連想し、神社の入口に立つものと思われがちですが、日本三大鳥居(日本三鳥居)に数えられる吉野山金峯山寺・銅の鳥居(かねのとりい)、四天王寺・石の鳥居、安芸の宮島・朱丹の大鳥居は、すべて神仏習合時代のもの。金峯山寺、四天王寺は

厳島神社・大鳥居

厳島神社・大鳥居

安芸(あき=元・広島県西部)の宮島に鎮座する厳島神社は、社伝によれば推古元年(593年)創建という古社。海に浮かぶような現在の社殿配置は、久安2年(1146年)に平清盛が造営を行なっています。社殿から200m沖に建つ大鳥居は、宮島のシンボル

銅の鳥居

金峯山寺・銅の鳥居

宮島の朱丹の大鳥居(重要文化財)、四天王寺の石の鳥居(重要文化財)と並んで「日本三大鳥居」に数えられるのが吉野山金峯山寺(きんぷせんじ)の銅の鳥居(かねのとりい)。銅製で、高さ7.5m。こちらも国の重要文化財。鋳銅製の円筒や箱形の部材を組み

四天王寺

四天王寺

推古天皇元年(593年)創建と伝わる大阪市天王寺区にある古刹が四天王寺(してんのうじ)。『日本書紀』によれば、仏教を支持する蘇我馬子(そがのうまこ)と日本古来の宗教を支持する物部守屋(もののべのもりや)との戦いで、仏教を支援した聖徳太子が形

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ