大阪城公園・金明水井戸屋形

大阪城公園・金明水井戸屋形

大阪府大阪市中央区、大阪城公園にある重要文化財(10棟)に指定される徳川時代の遺構のひとつが、金明水井戸屋形。本丸にある復興天守「大阪城天守閣」の横、小天守台にある井戸で、昭和44年の解体修理の際、天守と同じ寛永3年(1626年)の創建であることが判明しています。

大坂城小天守台にある井戸の遺構は国の重要文化財

江戸時代の大坂城本丸には5基、山里丸には2基の井戸が構築され、そのうち、天守に組み込まれていたのが、この金明水井戸屋形。
井戸を覆う屋形(切妻造り、本瓦葺の屋根)は、江戸時代の貴重な建築物で、国の重要文化財に指定。
石造井戸枠は巨大な一枚岩をくり抜いて造られています(井戸穴の壁は石積み)。

金明水井戸には、豊臣秀吉が水を清めるために井戸に黄金を多数沈めたという伝承が残されていますが、それは秀吉が築いた井戸が徳川幕府による大坂城の天下普請(てんかふしん)後も使われたという前提に立っての推測です。

昭和34年に井戸内の発掘が行なわれ、井戸底から1mまでは、硬貨やピストルなどの明治以降に大坂城に駐留し帝国陸軍関係のもの、さらにその下には兜や釣瓶(つるべ)、徳利など江戸時代のもの、3.5m下でさらさらした砂地となり、岩盤にぶつかっています。
大坂城総合学術調査によって、小天守台の上にある金明水は、すべて徳川時代に築かれた井戸であることが判明し、残念ながら黄金を沈めた井戸は別の井戸ということに。

豊臣時代の井戸と徳川時代の井戸の位置が絵図上で同じ位置にあるのは、江戸時代の銀水など4ヶ所あり、ひょっとするとそこに黄金が眠っているのかもしれません。

大阪城公園・金明水井戸屋形
名称 大阪城公園・金明水井戸屋形/おおさかじょうこうえん・きんぞう・きんめいすいいどやかた
所在地 大阪府大阪市中央区大阪城3-11
関連HP 大阪城公園公式ホームページ
電車・バスで JR大阪城公園駅、JR・大阪メトロ森ノ宮駅から徒歩15分、大阪メトロ谷町四丁目駅から徒歩15分
ドライブで 阪神高速13号東大阪線森之宮出口から約800m
駐車場 大阪城公園駅前駐車場(171台/有料)、森ノ宮駐車場(100台/有料)
問い合わせ 大阪城パークセンター TEL:06-6755-4146/FAX:06-6755-4149
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

大阪城公園

大阪の中央に位置する、総面積106.7haの広大な公園。都心にある緑溢れる公園は「大阪みどりの百選」にも選定されている。もともとこの地には一向宗(浄土真宗)本願寺派の拠点・石山本願寺がありましたが、1580(天正8)年の織田信長との石山合戦

大阪城天守閣

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大阪城公園・蛸石

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大阪城公園・大手見付石

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千貫櫓

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大阪城・大手門

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大阪府大阪市中央区、大坂城の正面玄関が、大阪城公園・大手門。本丸、二の丸、西の丸跡などを整備した大阪城公園でも、この門をくぐって、桜門へと向かうのが登城ルートの筆頭で、大手枡形の一部を形成する大手門は国の重要文化財に指定されています。大坂城

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