大阪府堺市中区土塔町、奈良時代に行基創建の大野寺に築かれたピラミッド型の仏塔が、土塔。1辺53.1mという巨大な瓦積み基壇の上に、13層の壇を積み上げた特異な形状で、神亀4年(727年)、僧・行基(ぎょうき)が築いたとされ、奈良の頭塔とともに奈良時代の仏教を今に伝える貴重な遺構です。
発掘調査に基づいて復元した土塔が見学可能
行基は、聖武天皇に信任され、東大寺盧舎那仏像(大仏)建立にも尽力していますが、それは天平12年(740年)のことなので、それ以前の建立ということに。
行基は、和泉監(いずみのげん)大鳥郡土師郷(はにしごう=現在の堺市周辺)に四十九院と称される多くの寺を開いていますが、大野寺、大野尼寺もそのひとつ。
大野寺は室町時代に火災で焼失、その後、江戸時代に真言宗の寺として再興され、土塔も現存しています。
大正時代にはその由来も失われて、方墳と考えられるようになりましたが、戦後の発掘調査で瓦(刻書瓦)などが遺物整理箱に531箱分も出土しています。
平成9年~15年の発掘調査では、土塔は瓦積み基壇の上に13の層が築かれ、各層に瓦が葺かれていたことが判明しています。
出土品のうち、神亀4年の型押銘がある軒丸瓦残欠2点、刻書瓦780点、刻書須恵器残欠4点、銭貨残欠2点、刻書瓦残欠294点の総数1082点は、国の重要文化財に指定。
出土した瓦は1000点以上あり、へら状の工具を用いて僧侶名の「蓮光」(れんこう)、尼僧名の「善智尼」(ぜんちに)、豪族の「矢田部連龍麻呂」(やたべのむらじたつまろ)など様々な名が刻まれています。
現在は大阪府が所有し、復元整備が行なわれ、見学が可能です。
土塔 | |
名称 | 土塔/どとう |
所在地 | 大阪府堺市中区土塔町2143-1 |
関連HP | 堺市観光コンベンション協会公式ホームページ |
電車・バスで | 泉北高速鉄道深井駅から徒歩20分 |
駐車場 | あり/無料 |
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