慈眼院・多宝塔(国宝)

慈眼院・多宝塔(国宝)

大阪府泉佐野市にある真言宗御室派の寺、慈眼院(じげんいん)。寺伝によれば天武天皇の勅願寺として創建という古刹ですが、鎌倉時代の文永8年(1271年)に建立された多宝塔は国宝。石山寺、高野山・金剛三昧院の多宝塔とともに、多宝塔の三名塔のひとつにも数えられています。

鎌倉時代の文永8年(1271年)建立の多宝塔

慈眼院・多宝塔(国宝)

塔高10.5m、下重は一辺が2.7mの方形で、上重は12本の円柱で支えられる円形塔身。
檜皮葺き(ひわだぶき)の屋根がさらなる美しさを醸し出しています。

内陣の須弥壇(しゅみだん)には本尊の大日如来座像が祀られ、脇侍(わきじ)に持国天と多聞天が配されています。

多宝塔は、明治36年、修理の際に金堂から現在地に移動、その際に基壇を設けたため、外観は創建時とはかなり異なっています。
鎌倉時代を代表する多宝塔として国宝に。

塔が創建された文永8年(1271年)は、モンゴル(蒙古)との緊張関係がたかまるさなかで、モンゴルの使者が再来日した年。
また、モンゴル(蒙古)との緊張関係は、自身の『立正安国論』の正しさを証明する事実であると主張した日蓮が佐渡に流罪となった年にもなっています。
鎌倉幕府としては挙国一致で国難に対処する必要があった時代ということに。

慈眼院一帯は、天福2年(1234年)に九条家により開かれた荘園「日根荘」の一部(現在の泉佐野市は全体が日根荘)。
広大な未開地を九条家が開発する14世紀以前は大井関大明神(現・日根神社)とその神宮寺の慈眼院がある程度の、のどかな場所でした。

慈眼院・多宝塔(国宝)
名称慈眼院・多宝塔(国宝)/じげんいん・たほうとう(こくほう)
所在地大阪府泉佐野市日根野626
関連HP慈眼院公式ホームページ
電車・バスで南海泉佐野駅から南海ウイングバス犬鳴山行きで17分、東上下車、徒歩1分
ドライブで阪和自動車道上之郷ICから約2km。阪神高速湾岸線泉佐野北ICから約7km、泉佐野南ICから約8km
駐車場あり/無料
問い合わせ慈眼院 TEL:072-467-0092
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
慈眼院

慈眼院

大阪府泉佐野市にある真言宗御室派の寺が、慈眼院(じげんいん)。天武天皇2年(673年)、天武天皇の勅願寺、さらに日根神社の神宮寺として覚豪阿闍梨(かくごうあじゃり)が開創した井堰山願成就寺無辺光院が前身。奈良時代には聖武天皇の勅願寺となり、

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