日本の海岸に防風、防砂の松原は数多くありますが、そのなかで「日本三大松原」に数えられているのが三保松原(静岡県静岡市)、気比の松原(けひのまつばら/福井県敦賀市)、虹の松原(佐賀県唐津市)。誰が決めたというわけではないので、気比の松原の代わりに天橋立(京都府宮津市)を加える場合も。
三保松原
所在地:静岡県静岡市清水区
名勝などの指定:国の名勝(大正11年3月8日、天橋立とともに日本初の名勝)、日本平・三保の松原県立自然公園
規模:34ha、総延長7km、3万700本(クロマツ)
景観・歴史:歌川広重の『六十余州名所図会』にも描かれる東海道屈指の景勝地。街道時代には寄り道して駿河湾越しの富士山を仰ぐ旅人も。羽衣伝説も伝承され、天女が舞い降りて羽衣をかけたとされる「羽衣の松」もあります。
ユネスコの世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産にもなっています。
気比の松原
所在地:福井県敦賀市松島町
名勝などの指定:国の名勝、若狭湾国定公園、「日本の白砂青松100選」
規模:総延長1.5km、1万7000本(アカマツ)
景観・歴史:『万葉集』や『日本書紀』にも詠まれる景勝地。大陸との日本海大交流を反映し、天平時代から平安時代の初めには渤海使(ぼっかいし)が宿泊する「松原客館」が設けられていました。戦国時代以前には、氣比神宮の神苑として、大切に保護され、江戸時代には小浜藩の御用林となりました。
日本海側はクロマツが主体ですが、気比松原で生育する松はアカマツが8割以上
虹の松原
所在地:佐賀県唐津市松南町
名勝などの指定:国の特別名勝、「日本の道100選」、「森林浴の森100選」、「かおり風景100選」
規模:230ha、総延長5km、100万本(クロマツ)
景観・歴史:上海と長崎・門司の間をつなぐ定期航路があった戦前は、欧米人もたくさん逗留し、有名なジャック・マイヨールも幼少期に虹の松原で遊んでいました。桁違いに広大な松原のため、一望するには「鏡山西展望台」へ(虹の松原を一望にするポイント)。
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