2人に1人以上が花粉症という時代、とくに関東、東海に有病率が高いとされますが、それは海を除いてスギが植林される山岳地帯で囲まれているから。そんな関東でも避粉地といわれる場所、「花粉に悩まされない日帰り登山の山」があるほか、東京都内にも花粉の飛散が特異に少ないエリアが存在しています。
小平市は杉並区の5分の1というデータも!

東京都内の花粉飛散状況は、東京都保険医療局が区部(千代田、葛飾、杉並、北、大田)、多摩地区(青梅、八王子、多摩、町田、立川、府中、小平)の12地点で、正確な確認を行なっています。
花粉症の人の多くが悩まされるスギ花粉は、過去10年のデータから2月中旬頃に飛散が始まり、GW直前ころまで続くことが判明しています。
そのピークとなるのは例年3月の上旬〜中旬(ヒノキ花粉は4月中旬)。
過去10年間のデータで、観測12地点で、花粉の飛散が多いのは青梅、八王子、そしてなぜか区部の杉並。
そして特異的に少ないのが小平で、なんと青梅、八王子、杉並の4分の1〜5分の1程度と判明しているのです。
ピーク時に青梅、八王子が親指の先ほどの1平方センチあたり400個もの花粉を計測するのに対して、小平は80個〜90個となっているのです。
飛散の開始時期はそれほどでもありませんが、とくに差が広がるのが、ピーク時で、小平ではかなり少ないことがデータ的に判明しています。
小平周辺の小金井、国分寺はどうかという疑問も湧きますが、東京都保険医療局の観測データがないため、定かでありません。
ウェザーニュースの「ポールンロボ観測データ」は、リアルタイムの花粉飛散状況がわかるので、参考にすることができます。
どうして小平が特異的に少なく、区部では杉並区が多いのか、その理由は解明されていませんが、風向きなどの影響、緑豊かな東京都小平霊園があるからと推測できます。
深刻な花粉症で悩んでいる人は、ピーク時に一度小平に出かけると「移住」する決心がつくかもしれません。
まずは週末に小平ふるさと村(西武新宿線小平駅から徒歩20分)を探訪し、花粉飛散のチェックを、ぜひ。

「関東の避粉地」、「花粉に悩まされない日帰り登山の山」は?

週末だけでも飛散する場所から逃避したいという人は、「関東の避粉地」へ。
10年間で10%増えるという花粉症の発病ですが、1998年には20%ほどだった罹患率が、現在では50%を超えるまでに。
民間の調査では6割ほどが花粉症の自覚があるというデータも。
そんな人は、まずスギ花粉の飛んでこないエリアで週末を過ごすことをおすすめします。
群馬県の草津温泉(標高1200m)、そして万座温泉(標高1800m)は、標高的にスギが育たないため(営林目的のスギ・ヒノキは標高1000m以下に植栽)、花粉の飛散もなく、花粉症とは縁遠い地となっています。
標高900m~1000mの軽井沢は避暑地として有名ですが、別荘を構えた人たちの間では近年「避粉地」としても注目され、春の別荘暮らしも増えているのだとか。
碓氷峠を越えて花粉が到達という説もありますが、週末の「避粉地」旅行で訪ねる価値はあります。
花粉症の率の高さでは山梨県がワースト1位、2位静岡県、3位埼玉県の順。
標高的にいえば清里のある八ヶ岳高原も飛散が少ないはずですが、、山梨県のデータでは過去10年間(2015~2024)の甲府の総飛散数の平均は、1平方センチあたり4701.7個と、花粉の飛散が比較的に多いので、中央本線沿線は避けるべきエリアといえるでしょう。
避暑地として注目される奥日光も戦場ヶ原(せんじょうがはら)で標高1400mと、「避粉地」の条件に当てはまります。
関東では、万座、草津、軽井沢、奥日光あたりが週末「避粉地」の地といえるでしょう。
羽田から飛行機を利用するなら、伊豆七島の八丈島も、黒潮流れる先の洋上で、花粉症とは縁遠い存在です。
海に近い南房総も候補地で、スギ花粉の少ないクローン種のサンブスギが植栽された地(長生、夷隅など)であれば、比較的に飛散が少ないと推測できます。
「花粉に悩まされない日帰り登山の山」として近年注目度がアップしているのが、鋸山。
久里浜港から東京湾フェリーで東京湾(洋上は花粉の飛散がほとんどありません)を横断して金谷港へと渡り、鋸山に登るのがおすすめです。
実際に登った人の話でも「あまり花粉を感じなかった」という体験談が多いので、転地療法としての効果も期待できるのかもしれません。

【花粉症の人、注目!】東京都内にも花粉が少ないエリアが! 「関東の避粉地」を紹介 | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag