六甲高山植物園で、エーデルワイス、コマクサが見頃に

六甲高山植物園・エーデルワイス

兵庫県神戸市灘区、六甲山の山上にある六甲高山植物園で、「高山植物の女王」と称されるコマクサ、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の名曲でおなじみ、オーストリアとスイスの国花にもなっているエーデルワイスが見頃を迎えています。野生に近い状態で花が見られることもあって、注目です。

アルピニストの憧れの存在が、六甲の山上に開花

六甲高山植物園・コマクサ
「高山植物の女王」コマクサ

六甲山の山上という下界よりも少し冷涼な気候を生かし、世界の高山植物や寒冷地植物、六甲自生植物、山野草など、1500種ほどを植栽する植物園で、本来は北アルプスや東北の高山に咲く高嶺の花であるコマクサなども少し早く5月中旬頃に開花し、6月下旬までが見頃となります(北アルプス乗鞍岳などでは8月に咲きます)。

エーデルワイスは6月中旬〜6月下旬という短い花期ですが、日本アルプスを含め日本の山には、コマウスユキソウ(中央アルプス駒ヶ岳)、ハヤチネウスユキソウ(岩手県・早池峰山)、エゾウスユキソウ(北海道)、オオヒラウスユキソウ(北海道・大平山)など「エーデルワイスに似た花」はありますが、ヨーロッパアルプスに咲くのはセイヨウウスユキソウなので、日本に咲くのは近縁種ということになります。

エーデルワイス(Edelweiss)とは、ドイツ語で高貴を意味するedel(エーデル)と、白・weiß(ヴァイス)で高貴な白い花という意味。
学名はLeontopodium alpinum。

六甲高山植物園の砂礫地にはセイヨウウスユキソウ(エーデルワイス)のほか、ハヤチネウスユキソウ、オオヒラウスユキソウ、エゾウスユキソウなども咲くので見比べることも可能です。
砂礫地に咲き、「涼しくて乾燥した環境」を好むので、本来は日本の梅雨は苦手でしょうが、六甲山では可憐な白い花を咲かせています。

コマクサは花の形が馬(駒)の顔に似ているのが由来で、荒涼とした火山など高所の砂礫地に咲きます。
日本アルプスの稜線、東北・北海道の高山の山頂など、ほかの植物が生育しない砂礫地に咲く孤高の花(他の植物を寄せ付けない過酷な環境下でのみ自生)ということもあって高山植物の女王と称されています。
もともと北極圏周辺にルーツをもつ寒冷地の植物で、数十万年前の氷期(寒冷期)に北極圏から樺太、千島列島を経由して日本列島に渡来、間氷期(温暖期)にはその一部が高山に取り残され、現存しているのです。

そんなエーデルワイスとコマクサが、都市周辺で手頃に観察できる六甲高山植物園は実に貴重な存在といえるでしょう。

六甲高山植物園で、エーデルワイス、コマクサが見頃に
所在地 兵庫県神戸市灘区六甲山町北六甲4512-150
場所 六甲高山植物園
関連HP 六甲高山植物園公式ホームページ
電車・バスで 六甲ケーブル六甲山上駅から六甲摩耶スカイシャトルバス、六甲山上バス利用
ドライブで 阪神高速神戸線魚崎出口、摩耶出口から約14km
駐車場 東入口・西入口駐車場(100台/無料、土・日曜、祝日、7月20日〜8月31日は有料)
問い合わせ 六甲高山植物園 TEL:078-891-1247/FAX:078-891-0137
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

六甲高山植物園

六甲山上の標高865m、8月の平均気温でも23.4度という涼しい気候を生かし、世界の高山植物や寒冷地の植物を中心に湿性植物、六甲山自生植物など1500種の野生植物を栽培する植物園。昭和8年、植物学者・牧野富太郎博士の指導のもとに開設されたと

 

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