JRグループは、片道の営業キロが601キロ以上の場合、「往復割引乗車券」を購入すると、「ゆき」、「かえり」の運賃がそれぞれ1割引になるという特典があります。その往復割引乗車券が、2026年3月をもって廃止になる予定です。今年が往復割引利用の最後の年ということになります。
東京〜新大阪の往復でも西明石往復を購入で200円おトク

往復割引乗車券の利用で、もっとも有名なのが、東京〜神戸を東海道・山陽新幹線で旅する場合。
東京駅~新大阪駅の営業キロは552.6km、新神戸駅の営業キロは589.5km、その先の西明石駅だと612.3kmで往復割引対象になり、西明石まで往復で買うほうがおトクとなるという逆転現象です。
「わざわざ戻るのは面倒だ」と考える人もいるかもしれませんが、新幹線の特急券は新大阪、新神戸駅までで、西明石駅までは実際に乗車する必要はありません(「経路上のこの先の権利放棄」ということで、ペナルティはありません)。
例えば新大阪で下車して、以遠は使わない場合でも往復で200円得する計算になります。
しかも新大阪駅、新神戸駅で降りるときには、改札機から切符が返却されるので、時間ができたので神戸に寄り道などという際にも便利です(ただし、大阪市内であっても天王寺など東京~西明石の経路に含まれない駅では出場できません)。
途中下車ができないのは片道の営業キロが100キロまでの普通乗車券のため、新大阪駅、新神戸駅での途中下車が可能で、その先を使う使わないかは、購入者の自由ということに。
たとえば東京駅から出雲市駅まで寝台特急「サンライズ出雲」を利用する場合、帰路も出雲駅〜米子駅〜岡山駅という移動で、岡山駅〜東京駅を新幹線利用しても、往復の経路が同じとみなされるため、往復割引が適用されます(東海道新幹線と東海道本線は、運賃計算において同じ距離と扱われます)。
ネットのAI回答などで、「新幹線と在来線は別経路となる」というケースが多々ありますが、一部の例外を除いて運賃計算上は同じ線という扱い(将来は分かれる予定)。
東京駅を起点に考えると、東海道・山陽新幹線は西明石駅以遠。
東北新幹線なら八戸以遠が対象。
北陸新幹線は東京〜敦賀でも営業キロは579kmと往復割引の適用外で、同様に山形新幹線、上越新幹線も適用外です。
名古屋駅を起点とすると西は徳山駅から、東は福島駅以遠となりますから、使い勝手はあるでしょう。
大阪駅からだと西は博多駅、東は東北新幹線で小山駅以遠となるので、宇都宮駅、福島駅、仙台駅でも適用されます。
東京駅で上越新幹線に乗り換えたら熊谷駅以遠で適用されるので、最後の往復割引で越後湯沢でスキーということも可能です。
逆に「スタートを下げる」という発想では、東京駅を川越駅、北本駅にすれば、新大阪駅でも往復割引が適用するので、東京駅まではSuicaを使い、東京駅からの新幹線きっぷは別に購入などという考えは捨てるのが正解です。
東京〜大阪往復より、ふた駅先の西明石往復の方が安くなる「往復割引」が来春廃止に! | |
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