下田市の田牛(とうじ)の海岸線に、不思議な二穴洞窟があります。
それが、龍宮窟(龍宮洞窟)です。
海底火山の噴出物が隆起した!
伊豆半島は南海の孤島がマントルの対流にのって気の遠くなる年月をかけて日本列島(本州)にぶつかり、半島となりました。
田牛海岸のこんもりとした山のような部分は、数百万年前の海底火山の噴出物が、島が日本列島(本州)にぶつかった際の衝撃で隆起して地上に現れたもの。
太平洋の荒波を受け、地層の弱い部分(海底火山の噴火で降り積もった軽石や火山灰の地層)が削られて、まずは海側に洞窟(海食洞)が誕生します。
さらに海水による浸食が進み、山の内部が空洞化して、天井部分が崩落。
今度はポッカリと天井部分に穴が空いてしまいます。
こうして不思議な二穴洞窟が誕生したのです。
当然、伊豆半島ジオパークのジオスポットにもなっています。
『紅の豚』に登場のポルコ・ロッソの秘密基地のモデル!?
伊豆半島には、龍宮窟の他にも堂ヶ島の天窓洞(西伊豆町)や手石弥陀窟(南伊豆町手石の弥陀山にある海蝕洞窟/大潮で波の静かな晴天の日の正午頃、この洞窟に小船で入ると、暗闇の中に金色に輝く三体の仏像が現れるとか)という「天窓」のある二穴洞窟が3ヶ所知られていますが、もっともおすすめな場所が龍宮洞窟です。
おすすめの理由は、スタジオジブリ制作のアニメ『紅の豚』(くれないのぶた/監督・宮崎駿)で、主人公のポルコ・ロッソが飛行艇を隠している「アドリア海の小島」の雰囲気が、この龍宮洞窟にそっくり。
龍宮窟の方が規模は小さいものの、実は干潮時には洞窟内に小さなビーチ(小石混じりの浜)も誕生します。
自己責任ですが、洞窟内でパラソルを広げて、海水浴も楽しめるのです。
気分は、ポルコ・ロッソ! というわけなのです(テレビで『紅の豚』の再放送があった直後なら気分も盛り上がります)。
大地が作った神秘のハート
さらにもう一つ、おすすめの理由が。
「天窓」は直径40mという大きなものですが、残された固い岩壁の部分、つまりは洞窟を取り囲む外輪山の部分には、遊歩道が設けられていて、上から「天窓」をのぞき込むことができます。
そうすると、あらら、不思議なことにハート型になっているのです。
以前にジェットヘリを使った空撮で、龍宮洞窟の上空でホバリングしたことがありましたが、まったく気がつきませんでした。
近年のパワースポットブームにのって、「ハートに見える!」と大注目になったというワケ。
伊豆半島ジオパークの案内板にも「大地が作った神秘のハート」(The mysterious heart-shaped sea cave)という誇らしげな表示が。
実は、もうひとつ、おすすめの理由があって、それは隣接地に天然のサンドスキー場があること。
詳しくは以下の記事を参照してください。
龍宮窟 | |
名称 | 龍宮窟(龍宮洞窟)/りゅうぐうくつ(りゅうぐうどうくつ) |
住所 | 静岡県下田市田牛 |
関連HP | 下田市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 伊豆急行線伊豆急下田駅から東海バス田牛行きで18分、前の浜下車 |
ドライブで | 西湘バイパス石橋ICから約97km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 下田市観光協会 TEL:0558-22-1531/FAX:0558-22-1533 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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