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全国に現存する三重櫓 12基

全国に現存する三重櫓 12基

天守がない城や、天守が焼失し再建されなかった城では代用天守としても機能し、天守があった城でも、防備の拠点として重要な役割を担った櫓(やぐら)が、三重櫓。国内に数ある城郭の中で、往時の三重櫓は12基が現存、奇しくも現存12天守と同じ数です。

弘前城・二の丸丑寅櫓(にのまるうしとらやぐら)

所在地:青森県弘前市下白銀町1弘前公園
築年:慶長16年(1611年)
高さ:11.92m
備考:丑寅、つまりは二の丸の北東を守るための三重櫓で、3層3階、入母屋造り(国の重要文化財)
敵への攻撃、そして物見を兼ねての防御の拠点

弘前城・二の丸丑寅櫓

青森県弘前市、日本100名城にも選定される弘前城には天守の他、創建当時の5つの城門、二の丸の3つの櫓が現存しています。二の丸丑虎櫓(にのまるうしとらやぐら)は、丑寅、つまりは二の丸の北東を守るための三重櫓。築城当初の慶長15年(1610年)

弘前城・二の丸辰巳櫓(にのまるたつみやぐら)

所在地:青森県弘前市下白銀町1弘前公園
築年:慶長16年(1611年)
高さ:11.87m
備考:二の丸の辰巳の方角(辰と巳の中間、東南)にある隅櫓(国の重要文化財)
矢狭間(やざま)、鉄砲狭間(てっぽうざま)、石落しなどの実戦的な配備もあり、防弾、防火を意識して、天守同様の土蔵造り、白漆喰塗り
平時には、有事に備えて、弓矢などを保管

弘前城・二の丸辰巳櫓

青森県弘前市、藩政時代に弘前藩の藩庁だった弘前城(ひろさきじょう)、二の丸に現存する三重櫓が、二の丸辰巳櫓(にのまるたつみやぐら)。二の丸の辰巳の方角(辰と巳の中間、東南)にある隅櫓で、国の重要文化財に指定されています。弘前城二の丸に現存す

弘前城・二の丸未申櫓(にのまるひつじさるやぐら)

所在地:青森県弘前市下白銀町1弘前公園
築年:慶長16年(1611年)
高さ:11.98m
備考:二の丸の未申の方角(未と申の中間、西南)にある隅櫓(国の重要文化財)
矢狭間(やざま)、鉄砲狭間(てっぽうざま)、石落しなどの実戦的な配備もあり、防弾、防火を意識して、天守同様の土蔵造り、白漆喰塗り

弘前城・二の丸未申櫓

青森県弘前市、藩政時代に弘前藩の藩庁だった弘前城(ひろさきじょう)、二の丸に現存する三重櫓が、二の丸未申櫓(にのまるひつじさるやぐら)。二の丸の未申の方角(未と申の中間、西南)にある隅櫓で、国の重要文化財に指定されています。弘前城二の丸に現

江戸城・富士見櫓(ふじみやぐら)

所在地:東京都千代田区千代田1-1
築年:万治2年(1659年)
高さ:15.5m
備考:その名の通り富士山をはじめ、秩父連山や筑波山、江戸湾(品川沖など=現在の東京港)、さらには将軍は両国の花火などを眺望
どの角度から見ても同じような形に見えることから、「八方正面の櫓」の別名も
天守焼失後の「代用天守」としても機能
関東大震災で大破し旧材を利用して再建

江戸城 富士見櫓(皇居東御苑)

富士見櫓(皇居東御苑)は、江戸城本丸東南隅に位置し、江戸城遺構として残る唯一の三重櫓。現存する三重櫓は、1657(明暦3)年の明暦の大火(振袖火事)での焼失後、1659(万治2)年の再建。どの角度から見ても同じような形に見えることから、「八

名古屋城・西北隅櫓(清洲櫓)

所在地:愛知県名古屋市中区本丸1-1
築年:元和5年(1619年)
高さ:16.3m
備考:本丸の北西、御深井丸(おふけまる)の北西角を守備する隅櫓が、西北隅櫓で、戌亥隅櫓(いぬいすみやぐら/戌亥=北西)とも(国の重要文化財)
現存する三重櫓としては、熊本城の宇土櫓(宇土櫓/現存12天守と比較しても、姫路城、松本城、松江城に次いで4番目の高さ)に次いで、全国で2番目の大きさ

名古屋城・西北隅櫓

愛知県名古屋市中区の特別史跡に指定される名古屋城・御深井丸(おふけまる)のにある櫓(やぐら)のひとつが、北西隅櫓。名古屋城の本丸を守る4つの隅櫓のひとつで、元和5年(1619年)頃の築で、国の重要文化財に指定。外堀の北、堀川側の公道がベスト

彦根城・西の丸三重櫓

所在地:滋賀県彦根市金亀町1-15
築年:慶長年間(1596年〜1615年)
高さ:11m
備考:本丸に隣接する西の丸の西北隅に築かれた櫓(国の重要文化財)
城の搦手(からめて=裏側)を守る重要な櫓で、東側と北側にそれぞれ1階の続櫓(つづきやぐら)を備え、防御力を高めています

彦根城・西の丸三重櫓

彦根城には、天守のない他の城なら十分に代用天守となるような立派な三重櫓が2つ築かれています。ひとつが山崎曲輪(やまざきくるわ)の三重櫓で、こちらは明治維新後に破却されていますが、西の丸三重櫓(にしのまるさんじゅうやぐら)は現存し、国の重要文

明石城・坤櫓(ひつじさるやぐら)

所在地:兵庫県明石市明石公園1-27
築年:元和6年(1620年)
高さ:13.28m
備考:本丸未申の角(南西端)に築かれた櫓で、代用天守的な性格を有した三重櫓(国の重要文化財)

明石城・坤櫓

兵庫県明石市明石公園、明石藩の藩庁だった明石城に現存する藩政時代の櫓のひとつが、坤櫓(ひつじさるやぐら)。明石城の本丸には天守を構えず、本丸御殿があっただけで、代用天守的な性格を有した三重櫓が、本丸未申の角(南西端)に築かれた坤櫓です。巽櫓

明石城・巽櫓(たつみやぐら)

所在地:兵庫県明石市明石公園1-27
築年:元和6年(1620年)
高さ:12.53m
備考:本丸東南端に、巽(東南)の方角に築かれた櫓(国の重要文化財)

明石城・巽櫓

兵庫県明石市明石公園、明石藩の藩庁だった明石城に現存する藩政時代の櫓のひとつが、巽櫓(たつみやぐら)。本丸東南端に、巽の方角に築かれた櫓というのが名の由来です。巽櫓、代用天守の坤櫓(ひつじさるやぐら)は日本に12基しか現存していない貴重な三

福山城・伏見櫓(ふしみやぐら)

所在地:広島県福山市丸之内1-8
築年:元和8年(1622年)
高さ:13.5m
備考:水野勝成の福山城築城に際して、2代将軍・徳川秀忠の命により伏見城・松の丸東櫓から移築した櫓(国の重要文化財)
慶長7年(1602年)、徳川家康が再建し、元和5年(1619年)に廃城となった伏見城松の丸からの移築

福山城・伏見櫓

福山城本丸に現存する三層三階の隅櫓。元和8年(1622年)、水野勝成による福山城築城に際して、2代将軍・徳川秀忠の命により伏見城・松の丸東櫓から移築した櫓のため、伏見櫓の名があります。今も往時と変わらぬ姿を留めています。城郭建築史上、初期の

高松城・月見櫓(つきみやぐら)

所在地:香川県高松市玉藻町2-1
築年:延宝4年(1676年)
高さ:不明
備考:海側の防衛拠点(「高松城の海の大手門」として機能し、瀬戸内海側からの出入口となる水手御門の防衛を担当)の櫓で、今治城(愛媛県今治市)、中津城(大分県中津市)と並んで日本三大水城に数えられる高松城らしい櫓(国の重要文化財)
月見櫓も「月を見る」のではなく「着くのを見る」の転訛で、御座船の着船や瀬戸内海の警備を目的とした櫓

高松城・月見櫓

高松城の内苑御庭北側の北の丸にあり、北から月見櫓・水手御門・渡櫓と連続している重要文化財の櫓。月見櫓は1676(延宝4)年の上棟で、3つの建築物ともその前後の築年と推測され、国の重要文化財に指定されてます。今治城(愛媛県今治市)、中津城(大

高松城・艮櫓(うしとらやぐら

所在地:香川県高松市玉藻町2-1
築年:延宝5年(1677年)
高さ:11.5m
備考:高松城東の丸、北東(丑寅の方角)という高松城の鬼門を鎮護していた隅櫓(国の重要文化財)
昭和40年に桜の馬場の太鼓櫓跡に移築

高松城・艮櫓

藩政時代には20の櫓があり、海上から見るとまさに浮城のように見えたという高松城(玉藻公園)。艮櫓(うしとらやぐら=丑寅櫓)は高松城東の丸にあった隅櫓(すみやぐら)で、北東(丑寅の方角)という高松城の鬼門を鎮護していた櫓です。高松城東の丸にあ

熊本城・宇土櫓(うとやぐら

所在地:熊本県熊本市中央区本丸1-1
築年:1601年〜1615年頃
高さ:19.1m
備考:3層5階で、天守と見誤るような勇姿から、大天守、小天守に次ぐ第3の天守とも
近世以前に建造された天守や櫓との比較では、現存12天守と比較しても、姫路城、松本城、松江城に次いで4番目の高さ

熊本城・宇土櫓

西南戦争時に焼失を免れ、平成28年4月14日に発生した熊本地震でもさほど大きな被害を出すことなく、往時のままに現存する熊本城の建造物でもっとも大規模な櫓で、日本最大の三重櫓が宇土櫓(うとやぐら=平左衛門丸五階櫓)。本丸北西角にある3層5階の

全国に現存する三重櫓 12基
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現存12天守に登城しよう!

現在、国内に戦国末期から江戸時代の木造天守が残るのは12ヶ所。「現存12天守」と呼ばれています。北から、弘前城、国宝松本城、丸岡城、国宝犬山城、国宝彦根城、国宝姫路城、国宝松江城、備中松山城、丸亀城、松山城、宇和島城、高知城の12城で、四国

【国宝5天守】 なぜ国宝は5天守だけ!?

日本には、戦国時代末から江戸時代に建築された天守が、12ヶ所残されていますが、そのうち、国宝に指定されるのは、犬山城(愛知県犬山市)、松本城(長野県松本市)、彦根城(滋賀県彦根市)、姫路城(兵庫県姫路市)、そして松江城(島根県松江市)です。

 

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