鳥取砂丘で出現の奇観「砂簾」(されん)、実は景観保全の地道な活動が支えている

砂簾

「砂簾」(されん)とは、湿った砂が乾いていくとき、風で一ヶ所が崩れると、横につながって丘が崩れていく現象で、砂のカーテンのように見えることが名の由来。馬の背の斜面でおもに発生しますが、めったに見られない現象です。例年、厳冬期に発生することが多いので、今が見るチャンスということに。

「生きている砂丘」が生み出す砂簾

砂簾

風によって砂が動き、砂丘特有の地形や生物が見られることから「生きている砂丘」といわれますが、砂簾もそれが実感できる現象。
風紋やスリバチと呼ばれる窪地もこの「生きている砂丘」が生み出すものです。

鳥取砂丘は海岸の砂が冬の季節風などで陸に上がってできた地形ですが、1970年代から外来植物が目立つようになり、砂の移動が減少しています。
鳥取砂丘は、鳥取市内を流れる千代川(せんだいがわ)から供給される砂でできていますが、砂の「供給」と「需要」のバランスが崩れているのです。
1990年代には砂丘の半分近くが雑草などで緑に覆われるまでになり、風紋や砂簾が見られなくなりつつありました。

鳥取砂丘では、1994年から本格的に除草活動が開始され、鳥取砂丘を保全する地道な活動が続けられています。
さらに海岸の侵食も進んでいるため、「サンドリサイクル」(鳥取砂丘の西側に位置する鳥取港周辺の砂を鳥取砂丘沖に投入する養浜工事)も行なわれています。

鳥取砂丘の景観は、実はこうした様々な取組みによって維持されているのです。

鳥取砂丘で出現の奇観「砂簾」(されん)、実は景観保全の地道な活動が支えている
所在地 鳥取県鳥取市福部町湯山ほか
場所 鳥取砂丘・馬の背
関連HP 鳥取市観光コンベンション協会公式ホームページ
電車・バスで JR鳥取駅から路線バス鳥取砂丘行きで鳥取砂丘下車すぐ。土・日曜、祝日はJR鳥取駅からループ麒麟獅子バス砂丘コースで14分、鳥取砂丘下車
ドライブで 鳥取自動車道鳥取西ICから約7.5km
駐車場 鳥取砂丘駐車場(200台/有料)
問い合わせ 鳥取市観光案内所 TEL:0857-22-3318
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

鳥取砂丘

鳥取県東部を流れる千代川河口の東西に発達した海岸砂丘で、東西16km(西端は白兎海岸)、南北2.4kmに及ぶ日本最大級の砂丘。中国山脈から流れ出る千代川の土砂がやがて砂となり、北西の季節風で海岸に吹き上げられ、3万年の歳月をかけて誕生したも

 

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