東日本大震災後にJR東日本が独自に東北の復興を掲げて始まったキャンペーンが『行くぜ、東北。』。役目を終えたことで、平成28年に終了していますが、そのなかで、平成27年夏のCMで話題となり、注目を集めたのが、秋田県山本郡八峰町、五能線沿線の白瀑神社(しらたきじんじゃ)です。
白瀑は慈覚大師が見出したパワースポット
秋田県山本郡八峰町(はっぽうちょう)。
旅に関わる我々ですら「どこだっけ?」とすぐには思い出せない場所です。
平成18年に八森町と峰浜村が合併して発足した秋田県最北の日本海沿いにある町です。
町の面積の8割が森林で、一部は世界遺産・白神山地の登録エリアにもなっています。
「リゾートしらかみ」が走る五能線沿いにありますが、残念ながら「リゾートしらかみ」停車駅からはアクセスが遠くなります。
平成27年夏の『行くぜ、東北。』のCMは、「秋田五能線・白瀑にて」として公開。
女優・木村文乃がスカートをたくし上げて滝に入る姿がセクシーすぎる!と話題になったCMなので、記憶に残っている人もいるかもしれません。
CMの放送当時は「撮影場所は?」との問い合わせが殺到したとか。
CMに使われた白瀑神社は、五能線東八森駅(ひがしはちもりえき)から徒歩20分。
社伝によれば円仁(慈覚大師/794年〜864年)の開基という古社です。
「滝の下清浄にして山色冷澄なるを感じ参籠し、かかる瀑水は世に比類なく霊地なりとして不動尊の尊形を彫刻され、瀑の北方岩上に安置し国土安全を祈願されたのが創建」(秋田県神社庁)とのこと。
目黒不動として知られる瀧泉寺や、山形市にある立石寺、松島の瑞巌寺を開いたのも円仁と伝わるので、名瀑を探してこの地にたどり着いたのかも知れません。
まずは神社に参拝、その後に白瀑へ
滝自体が修験の地で、御神体でもある白瀑神社ですが、明治の神仏分離までは不動社と称していました。
古から修行の霊地で、仁寿3年(853年)には円仁(慈覚大師)自刻の不動明王が祀られています。
現在の祭神は火産霊神(ほむすびのかみ=火の神、鍛冶の神として信仰されている)、埴山姫神(はにやまひめのかみ)など。
「はじめに社殿内にて御祭神をお参りいただいた後、滝をご参拝ください。御祭神へのご挨拶無く、滝のみのご参拝は神様への失礼にあたります。社殿扉の鍵は常時開いております。」(白瀑神社宮司)とのこと。
まずは、必ず、神社に参拝を。
高さ17mの白瀑。
木村文乃さんがヒロインとなった撮影の当日は、小雨まじりのあいにくの天気だったとか。
明暗差がないのでかえって神秘的な雰囲気が撮影できたのかも知れませんね。
登場する子供たちは、ホンモノの地元の中学生なんだとか(エキストラで出演)。
例年、8月1日に五穀豊穣、家内安全などを祈願する例大祭が齋行され、『みこしの滝浴び』主催)が斎行されています。
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