ウトロに行くなら「天に続く道」を走りたい!

知床半島は海岸沿いのクネクネ道のイメージが強く、直線道路のイメージがないのですが、実は、北海道屈指の直線道路があります。 それが、オホーツク海を走る国道334号・国道244号と連続する斜網広域農道です。

27.5kmの絶景の直線道路を走ろう

天に続く道
天に続く道

斜里と網走を結ぶ道路で、小清水原生花園を過ぎた小清水町倉栄地区から、知床連山を目指してまっすぐの道路が27.5km続き、ご覧の通りの直線です。国道334号は網走方面からウトロに向かった場合、斜里町市街地を過ぎると峰浜地区の手前で知床に向かって左折しますが(左折した先の海岸までがスピード違反の取り締まりポイントにもなっています)、国道ではなく道なりにそのまま走るとまるで坂道を上るかのように山の中腹まで道路が続きます。

そんな直線道路ですが、近年、「天に続く道」として売り出し中。女満別空港や小清水原生花園・網走方面とウトロを結ぶ国道334号をドライブするならちょっと寄り道するだけでほとんどロスタイムもありません。
地元の人の話では「スピード違反の取り締まりポイントをひとつパスできる」とのことで、一石二鳥というわけです。
ただし、見晴らしのいい峰浜の高台から国道334号に向かって直線道路を下り、そのままスイスイと走ると、当然スピード違反の取り締まりに引っかかる恐れもあるのでご注意を。

直線道路「南3号」「南9号」から北海道開拓を学ぶ

北海道では中心となる道を基線、南に1本目を1号、次を2号・・・と名付け、東に1線、2線、3線という具合に表示します。この方法で、広い原野でも南3号東3線といえばどこだか分かるわけです。直線道路の国道244号には斜里バスが通っていますが、バス停が斜里側から3号(国道334号・244合分岐)、東2線、3号1線、3号2線、3号3線、3号4線、3号5線、3号6線と続きます(直線道路を止別駅方面に国道が離れた先に「中村宅前」「寺口宅前」という北海道らしいバス停もあるのでお見逃しなく)。つまり、斜網広域農道へと続くこの壮大な直線道路は、ひとくくりにいえば「南3号」ということになります。

天に続く道の起点となるのは、東10線南3号の交差点(南北に走る東10線と東西に走る南3号の交差する場所)。ウトロからのアプローチなら峰浜から左折で東10線に入ることになります。

天に続く道
絶景の直線道路「天に続く道」

この国道334号・国道244号と連続する斜網広域農道と肩を並べるのがその南3kimほどのところを並走する国道334号・道道1000号・道道827号の直線道路。南9号ともいわれるこの直線道路ですが、直線の東の先には海別岳(うなべつだけ/1419.3)の山頂がドンピシャリ。
こんな道を「山アテ道路」と専門家は呼んでいます。

測量技術や測量道具が乏しかった開拓時代に、道路を開くとき、山頂めざして真っ直ぐな道路を築いたというわけです。
本州でも筑波山周辺にはこの「山アテ道路」が見られるとのこと。
海別岳への「山アテ道路」がこの南9号というワケなのです。

 

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