きっぷよりも「Suica」がお得は間違い!? 八高線、日光線などで例外も!

山手線など幹線の初乗りは150円ですが、Suica(ICカード)を利用すると146円と4円得する計算に。実は券売機で購入するきっぷの場合は、税金の計算で端数が出た場合に、四捨五入して10円単位にする過程で生まれる誤差から。実際にはきっぷ利用者は4円損をしていることになっているのです。

2026年3月の料金改定までは、地方交通線で逆転現象が

関東では八高線は要注意です

JR東日本の運賃は、税抜運賃に税金をプラスするために1.1を掛け、1の位を四捨五入して区切りのいい10円単位になるように調整しています。
これは券売機で146円だと購入しづらいということからの調整です。
本来は、初乗り料金でいえば146円なのに、四捨五入で150円となるのです。
これに対し、Suicaの場合は税抜運賃に1.1を掛け、小数点以下を切り捨てて1円単位の計算。
その違いです。

JR東日本では、「山手線内」、「電車特定区間」、「幹線」の3種類の運賃計算方法があり、東海道本線でも東京駅〜大船駅は「電車特定区間」です。
料金的には、「山手線内」がもっともお得な設定で、続いて「電車特定区間」、「幹線」という順です(2026年3月の料金改定で、「山手線内」、「電車特定区間」は廃止され、「幹線」に統一されるため、実質的にかなり値上げとなります)。

幹線の旅客運賃は、100kmまではSuica(ICカード)利用の方が得しますが、101km以上だと同じ料金。
つまり、東京駅〜熱海駅で在来線を利用する場合なら、Suica(ICカード)でも、券売機できっぷを買っても値段は同じです。

首都圏でJRを利用する場合には、Suica(ICカード)で損をすることはありません。
問題は、地方交通線の場合です。
関東でいえば吾妻線(あがつません)、久留里線、水郡線、八高線、日光線などが該当します。

地方交通線では営業キロが11km~15kmの場合、きっぷは240円ですが、Suica(ICカード)だと242円と2円損する計算に。
29km~32kmではきっぷ590円に対して、Suica(ICカード)594円と4円も高くなっています。
83km~91kmでもきっぷ1690円に対して、Suica(ICカード)1694円と、やはり逆転現象が。
いずれも四捨五入による問題です。

宇都宮と日光を結ぶ日光線ですが、宇都宮駅で乗車して日光駅までならともに770円ですが、今市駅で下車するケースだと、きっぷ680円に対してSuica(ICカード)682円となるのです。

八王子駅から高崎駅への八高線も同様で、八王子駅から高麗川駅までの場合、きっぷ590円に対して、Suica(ICカード)だと594円と、少し損する感じとなります(実際には四捨五入できっぷが4円得しています)。
東北などで五能線など地方交通線を旅する際には、意外にきっぷが安いこともあることを覚えておくのも手でしょう。

こうした逆転現象は、2026年3月の料金改定で解消される見込みです。

久留里線も地方交通線
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