日本最大級のスイッチバック駅、小田急・藤沢駅

神奈川県藤沢市にある小田急江ノ島線の駅が、藤沢駅。新宿方面から片瀬江ノ島駅行きの小田急ロマンスカー「えのしま号」に乗車すると、この藤沢駅でスイッチバック。ロマンスカーの場合は座席の向きを一斉に直して、片瀬江ノ島駅へと進み、日本最大級のスイッチバックとなっているのです。

小田急ロマンスカー「えのしま号」のみスイッチバック運転

小田急江ノ島線の駅として昭和4年4月1日に開業した小田急の藤沢駅。
JR藤沢駅は、明治20年7月11日、官営鉄道の横浜駅（現・桜木町駅）〜国府津駅間の東海道線延伸時に開業しています。

小田急江ノ島線の建設にあたっては、当初、少し辻堂寄りに江の島に向かう案もありましたが、利便性から東海道本線・藤沢駅に接続することになったのです。

東側から藤沢駅に入るプランもありましたが、用地買収が難航。
そのため、北から南へ、江の島を目指した線路は、800mほど手前から大きくカーブして東の藤沢駅のホームに入り、そこで方向転換、スイッチバックしててまた大きく弧を描いて片瀬江ノ島駅へと向かうことになったのです。

2面3線のホームと4本の本線を振り分けるため、ダブルクロスが2基設置という複雑な構造の線路で、マニアは1番線ホームの先端で、列車入線時のポイント切り替え、ジョイント音を楽しむのだとか。

新宿・相模大野からの小田急ロマンスカー「えのしま号」が片瀬江ノ島に向かう場合、複線のシーサースクロッシングと呼ばれるX型ポイントを2回渡らないと、片瀬江ノ島駅へと向かう下り線の線路、ホームには入れません。

小田急では、これまでのような片瀬江ノ島への直通運転を減らし、藤沢で運転系統を分割。
藤沢～片瀬江ノ島間は原則、各駅停車が折り返し運転するダイヤに変更されています（以前のように新宿〜片瀬江ノ島を直通する急行はなく、急行、快速急行はすべて藤沢止まりになっています）。
スイッチバックファンとしては少し残念な改変ですが、ダイヤを守るためには、このスイッチバック（ポイント交換）が難題だったのです。

令和6年2月18日には、日本最大級のスイッチバックを支えるバックヤードを知る現地見学会が開催、再び注目されるスイッチバックですが、小田急ロマンスカー「えのしま号」に乗車の際は、このポイント通過音にもぜひ注目を。