長野県飯山市と新潟県上越市の信越国境に連なる関田山脈。日本海を流れる暖流の影響もあって、原生に近いブナの森が残されています。関田山脈でピンと来ない人も鍋倉山(1288.8m)と聞けば、「ブナ林」を連想する人も多いかと。その鍋倉山の山麓にあるのが田茂木池(たもぎいけ)です。
謙信が信濃侵攻に使った関田峠越えの途中にある池
信濃国(長野県)飯山と越後国(新潟県)高田を結ぶ峠道の関田峠(大明神峠/標高1110m)。中世、近世には盛んな往来があった関田峠越えの道は長野県道・新潟県道95号上越飯山線となっています。
実は、関田峠は上杉謙信の信濃侵攻の際に越えたのがこの峠です。
冬には積雪が8mを超える豪雪地帯で、県道も冬季通行止めとなっています。
関田峠の新潟県側(上越市側)が光ヶ原高原、長野県飯山市側が鍋倉高原で、峠から鍋倉山方面へは信越トレイルといわれる縦走路も整備されています。
田茂木池という池の名は、田茂木平という字名に由来。池は築堤され、農業用水に使われています。雪解けの水をそのまま農業用水に使うのは冷たすぎるので、一旦ため池で温度を上げて使うための温水ため池です。
田茂木という地名の由来は定かでありませんが、茂(も)は面(も)の当て字と考えれば、日光のよくあたる側。木は柵(き)の当て字で区画された所。つまりは柵(さく)で区画された田のある所となります。稲をかけるタモギの可能性もありますし、タモノキの転訛かもしれません。
名の由来は定かでありませんが、この田茂木池、単なる、農業用のため池ですが、実はカメラマンには人気の地。
というのも、目の前に鍋倉山という写真を撮るには絶好のポイントだから。加えて、森太郎など名のある巨木が茂る鍋倉山東面の「巨木の谷」が眼前に迫るのです。
冬季、積雪期の鍋倉山登山は、この池を右に見て頂を目指すように、鍋倉山を愛する登山家、カメラマンにとってはKEYとなる池になっているのです。
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