上野東照宮

駿府城に家康を見舞った藤堂高虎(とうどうたかとら)の上野の屋敷地に建立された徳川家康、吉宗、慶喜を祀る神社で、正式名称は東照宮。明治以前は東叡山寛永寺の一部だったが、明治の神仏分離で神社として独立しています。出世、勝運、健康長寿にご利益があると、多くの参拝者を集めています。またぼたん苑は有名。

絢爛豪華な社殿と、奉納された灯籠群、そして牡丹園に注目

参道入口の石造神明鳥居(大石鳥居)
寄進者である酒井雅楽頭(さかいうたのかみ)の名が
ずらりと並ぶ銅鳥居
唐門ももちろん国の重文

3代将軍・徳川家光は日光東照宮の大改築を終えてすぐ、1651(慶安4)年に上野東照宮社殿改築も指示。
日光東照宮と比較すると小ぶりですが、金色殿とも呼ばれる総金箔の権現造りの本堂は、莫大な造営費を必要とした絢爛豪華なもので、東の比叡山として機能した、東叡山寛永寺の一画で、江戸での将軍家の権威を諸大名に示す象徴的存在でした。

本堂をはじめ、幣殿、拝殿、透塀、唐門、参道に並ぶ銅灯籠(48基)、まですべて国の重要文化財。
250基もの灯籠は、全国の大名が将軍家への忠誠を競うように奉納したもの。
参道入口の石造神明鳥居(大石鳥居)は、1633(寛永10)年、大老・酒井忠世(さかいただよ/酒井雅楽頭=さかいうたのかみ)の奉納。

幕末に寛永寺に彰義隊が立て籠もった上野戦争でも、寛永寺の多くの堂宇は戦火で焼けてしまいましたが、上野東照宮は奇跡的に焼け残りました。
さらに第二次世界大戦でも焼夷弾が落ちましたが、運良く不発弾と、東照大権現の御遺徳が発揮されたかのような歴史的な展開になっています。

1月〜2月の冬牡丹、4月中旬〜5月上旬の春牡丹が人気

冬牡丹
春牡丹

明治初年の神仏分離令で、五重塔は寛永寺に移管され(現在は東京都の管理)、社領は小さくなっていますが、今も多くの参拝者で賑わいを見せています。

参道横の「上野東照宮ぼたん苑」は中国大陸にまで嵬集の手をのばして集めたボタン約250種3200株が揃う見応えのあるもの。
1月〜2月の冬牡丹、4月中旬〜5月上旬の春牡丹時期に開園しています。

佐久間勝之奉納の石灯籠は、高さ6.8mと巨大で「お化け灯籠」と呼ばれており、名古屋の熱田神宮の佐久間燈籠、京都・南禅寺の大石灯籠と合わせて「日本三大石灯籠」に数えられています。

ちなみに大正3年3月8日、上野で開催された『東京大正博覧会』の会場となった上野東照宮に上る階段の場所に日本初のエスカレーターが設置されています(とくに遺構はありません)。

上野東照宮
名称 上野東照宮/うえのとうしょうぐう
所在地 東京都台東区上野公園9-88
関連HP 上野東照宮公式ホームページ
電車・バスで JR上野駅公園口から徒歩10分
ドライブで 首都高速上野ランプから700m
駐車場 なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 上野東照宮 TEL:03-3822-3455
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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