村山貯水池(多摩湖)

村山貯水池(多摩湖)

東京市の人口増加に対応した水源確保のため、狭山丘陵の谷を活かして昭和2年に完成したダム湖。多摩川の水を羽村取水堰(はむらしゅすいせき)で取り入れ、導水管にて村山貯水池に導いて貯水しています。ダム湖百選、近代水道百選、土木学会選奨土木遺産、村山・山口貯水池(多摩湖・狭山湖)として東京都水道局の「東京水道名所」に選定。

村山下貯水池の第一取水塔は印象的

村山貯水池は、西側(上流側)の村山上貯水池(大正13年3月完成/アースダム、取水塔1基、堤高24.24m、堤頂長318.2m)と東側(下流側)の村山下貯水池(昭和2年3月/アースダム、取水塔2基、堤高34.5m、堤頂長610.0m)に分かれ、さらに隣接の山口貯水池と連絡管で結ばれ一体的に運用されています。

村山上貯水池の堤体は都道55号線の一部になっています。
ドーム屋根、アーチ窓でアクセントをつけたタイル張りの外壁が特徴の村山下貯水池の第一取水塔は、東京都の「都選定歴史的建造物」に選定。
「日本で一番美しい取水塔」とPRされています。

村山下貯水池の東側は東京都立狭山自然公園として整備され、春は桜で有名。

東京都北多摩郡大和村(現・東大和市)に村山貯水池を築くために羽村〜山口間に軽便鉄道が敷設されていますが、その廃線跡が東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線などのサイクリングロードとして再生されています。

村山貯水池(多摩湖)は、山口貯水池(狭山湖)と同様に、東京市の人口増加を受けて、第一水道拡張事業の一環として東京水道の水源として作られた人工湖。
村山貯水池(多摩湖)の水は、導水管で境浄水場(昭和10年完成)に運ばれ、さらに境・和田堀線送水管で和田堀給水所(昭和9年完成)へと送られています。

境浄水場までの導水管の上が、多摩湖自転車歩行者道(東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線)で、その先の境・和田堀線送水管の上を通る水道道路が、井の頭通りで、東京を代表する直線道路に。

村山貯水池(多摩湖)
名称村山貯水池(多摩湖)/むらやまちょすいち(たまこ)
Murayama Reservoir(Tama Lake)
所在地東京都東大和市多摩湖6-2226・4-644
関連HP東京都水道局公式ホームページ
電車・バスで西武多摩湖線武蔵大和駅から徒歩16分で狭山公園堤防上広場
ドライブで関越自動車道所沢ICから約13km
駐車場都立狭山公園駐車場(13台/無料)
問い合わせ東大和市産業振興課商工観光係 TEL:042-563-2111
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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