地層大切断面

地層大切断面

東京都大島町野増を走る東京都道208号(大島循環線)沿いにあるバームクーヘンのような地層の断面が地層大切断面(千波地層切断面)。昭和28年の大島一周道路の開削で生まれた高さ(最大)24m、延長630mにも及ぶ地層の断面で、百数十年に一度の割合で起こってきた大噴火の火山灰が年輪のように重なっています。

噴火の歴史を辿ることができる貴重な場所

火山砕屑物が地表に沿って(地表の斜面に対しても)同じ厚さで降り積もった地質構造をマントル・ベディング(mantle bedding)と呼びますが、その様子を伝えてくれる代表的なスポットで、伊豆大島ジオパークのジオサイト「千波地層切断面」になっています。

地層面を観察すると、スコリア(黒っぽい破片状の火山噴出物)、火山灰、風化火山灰または腐植土の互層(それが1回の火山活動期の噴出物)になっていて、それぞれの大噴火を表す層が百数十も確認できることから、百数十年に一度の割合の大噴火×百数十の単位層で、1万5000年もの間の火山活動の歴史(大地の物語)を辿ることになるのです(露頭部分の下にもさらに海面まで、5000年以上の地層が埋もれています)。

「バームクーヘン」とも通称される地層はスコリア火山灰主体の降下堆積物が中心ですが、各層の厚さや成分を調べることにより、噴火の激しさや期間の長さなどを推測することができます。
実は、伊豆大島の火山活動がかなり正確に解明されているのには、この地層大切断面の存在が大きいのです。
「伊豆大島火山博物館」には、1万2000年~1万5000年前の地層20層が表面剥離されて展示されています。

バームクーヘンに模したスイーツバス停に注目!

地層大切断面

地層断面前というバス停(大島バス波浮港ライン)もあるので、バス旅でのアプローチも可能です。
しかもバス停は、バームクーヘンに模したスイーツバス停。

平成30年に大島バス(東海汽船グループの大島旅客自動車)が、フォトスポットとして近年人気が高まっている「バームクーヘン」(地層大切断面)をPRするために、スイーツバス停にリニューアルしたもの。

なお、あまりの大迫力の地層なので、海に目がいきませんが、地層とは反対側の洋上には利島(としま)、新島(にいじま)、式根島、神津島、快晴ならば三宅島、御蔵島(みくらじま)を眺望します。

地層大切断面
地層大切断面
名称 地層大切断面/ちそうだいせつだんめん
所在地 東京都大島町野増エンシュウアイノウ
関連HP 大島町公式ホームページ
電車・バスで 元町港から東海汽船バスセミナー入口行きで20分、地層断面下車すぐ
問い合わせ 大島町観光課 TEL:04992-2-1446/FAX:04992-2-1371
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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