谷保天満宮・常盤の清水

谷保天満宮・常盤の清水

東京都国立市谷保、湯島天神、亀戸天神と並んで「関東三天神」ともいわれる谷保天満宮(やぼてんまんぐう)の境内、初夏にあじさい咲く弁天池の水源となる湧水が、常盤の清水。水量も豊富で、東京都が選ぶ東京の名湧水57選にも選定されています(国立市ではママ下湧水群と2ヶ所選定)。

青柳崖線下から湧き出す泉が弁天池の水源に

谷保天満宮・常盤の清水

国立市では、JR中央本線を国立駅の東で横切る国分寺崖線(武蔵野台地の南縁)、南武線の走る富士見台第三団地の南に立川崖線(2万年前に形成、崖線沿いに野川が流れる)、さらに南側の一段低い多摩川寄りには青柳崖線(1万5000年前に形成)が通り、立川崖線と青柳崖線がぶつかる場所にあるのが、谷保天満宮。

多摩川が武蔵野台地の北側から現在の南側に流路を変える過程で、大きく台地を削り取った名残りが段丘と崖線で、堆積した砂礫層が崖の表面に現れ、その砂礫層を流れる地下水が崖下から流出するのが、ママ(崖)下の湧水というのがメカニズムです。

段丘上に甲州街道が通り、甲州街道からママ(崖)を下って本殿へと向かいます。
本殿東側の湧水が常盤の清水で、江戸時代の延宝年間(1673年〜1680年)、谷保天満宮を訪れた筑紫国(現在の福岡県東部)の僧侶が「とことわに湧ける泉のいやさやに 神の宮居の瑞垣(みずがき)となせり」と詠んだことが名の起こりとか。
弁天池には厳島神社が鎮座していますが、『江戸名所図会』にも池と社が描かれています。

谷保天満宮の境内一帯は、かっては、各所から清水が湧いていたといいますが、都市化の波で、湧出量が減少しています。
昭和15年頃までは、弁天池の下流に水車小屋があり、農家の精穀用に使われていました。
谷保天満宮の北西、天神坂の下には、この地区で最大の湧水池があり、甲州街道を旅する人が立ち寄った「清水の茶屋」がありましたが(『江戸名所図会』にも記載)、今では痕跡もありません。

谷保天満宮・常盤の清水
名称 谷保天満宮・常盤の清水/やぼてんまんぐう・ときわのしみず
所在地 東京都国立市谷保5209
関連HP 東京都水道局公式ホームページ
電車・バスで JR谷保駅から徒歩5分
ドライブで 中央自動車道国立府中ICから約1.6km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 谷保天満宮社務所 TEL:042-576-5123
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
谷保天満宮

谷保天満宮

東京都国立市の甲州街道沿いに建つ古社、谷保天満宮(やぼてんまんぐう)。社伝によれば903年(延喜3年)、菅原道真の三男・菅原道武(すがわらみちたけ)が創建したといい、「野暮天」(やぼてん)という言葉の由来になったともいわれています。梅林は梅

 

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