名古の展望台

名古の展望台

東京都八丈町、八丈島を周回する東京都道215号(八丈循環線)沿いにある展望地が、名古の展望台(なこのてんぼうだい)。駐車場から少し歩いた先にある展望台からは、眼下に洞輪沢漁港(ぼらわざわぎょこう)、そして小岩戸ヶ鼻へと続く断崖の海岸線を眺望できます。この洞輪沢は、実は水蒸気爆発の跡地で、洞輪沢温泉があります。

かつては定期観光バスも立ち寄った八丈島のビュースポット

八丈島は西山(八丈富士)、東山(三原山)という2つの火山体がつながってできた島。
そのうち東山(三原山/火山活動は10万年前〜4000年前)の山麓にあるのが名古の展望台で、眼下の地形がスプーンでえぐられたカールのようになっているのは、水蒸気爆発地形だから。
三原山火山から流出したマグマあるいは溶けた溶岩が海水と接触し、水蒸気爆発を起こしたもので、玉石の美しい海岸で夏は海水浴で人気の横間ヶ浦(よこまがうら)も同様に水蒸気爆発の跡です。

この水蒸気爆発の地形を活かし、第二次世界大戦末期の昭和20年には、本土防衛の拠点として、海軍唯一の水上特攻艇「震洋」(しんよう=太平洋を震撼させるという意味が込められた特攻艇)に乗って敵艦に体当りするという第16震洋特別攻撃隊が配置されていますが、終戦を迎えています。
艦砲射撃や空爆を避けるように爆発でできた洞輪沢の岩壁をくり抜いて基地そして「震洋」を格納、出撃を待ったのです。

また、名古の展望台からだとよくわかりませんが、展望台下の急峻な断崖には、落差80mの巨大な滝、名古の滝が懸かっています。
溶岩流の間から滝となって三原山の伏流水が流れ出すもので、流れる滝を見る場合には漁港側に下る必要があります。

洞輪沢漁港近くにある洞輪沢温泉は八丈島でももっとも歴史のある公共浴場で、無料で入浴ができます(カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩温泉/せっけん・シャンプーは使用不可、マナーを守って入浴を)。

名古の展望台
名称 名古の展望台/なこのてんぼうだい
所在地 東京都八丈町末吉194
関連HP 八丈町公式ホームページ
ドライブで 八重根港から約11km、底土港から約14km、八丈島空港から約12km
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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