暗闇坂

暗闇坂

東京都港区麻布十番2丁目から元麻布3丁目を結ぶ坂道が、暗闇坂。坂の途中には赤レンガ造りが素敵なオーストリア大使館があります。坂上の長伝寺前の交差点は、「麻布一本松」を目印に暗闇坂、大黒坂、一本松坂、狸坂と4つの坂道に分かれる不思議スポットで、江戸の名所のひとつです。

麻布十番から麻布一本松へと上る急な坂道

暗闇坂

昼間でも暗いほど鬱蒼(うっそう)と木々が茂るという暗く見通しの悪い坂ということで、くらがり坂、暗坂などとも称された坂で、幽霊が出るといった伝承も生まれました。

日本語ロックを構築した伝説のロックグループはっぴいえんど(細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂/第2回全日本フォークジャンボリー、第3回全日本フォークジャンボリーにも出演)は、『暗闇坂むささび変化』(作詞・松本隆、作曲・細野晴臣)という楽曲を発表しています。

作詞家の松本隆は、港区立青南小学校を卒業後、中学から大学まで港区・三田の慶應義塾なので、麻布界隈は「風街」と呼んだ多感な時代を過ごした街でした(「生徒手帳の住所欄に、ぼくは一言、風街と書きこんで、内ポケットに入れていた。新学期が始まった日、地図帳を広げて、青山と渋谷と麻布を赤鉛筆で結び、囲まれた三角形を風街と名付けた。それはぼくの頭の中だけに存在する架空の街だった」松本隆『微熱少年』)。

松本隆は、はっぴいえんど解散後は作詞家兼音楽プロデューサーとしても活躍、『ルビーの指環』(寺尾聰)、『木綿のハンカチーフ』(太田裕美)、『東京ららばい』(中原理恵)、『硝子の少年』(KinKi Kids)、『セクシャルバイオレットNo.1』(桑名正博)、『スニーカーぶる〜す』(近藤真彦)、『赤いスイートピー』(松田聖子)など数多くのヒット曲を手掛けています。

また、作家・三田完(みたかん)の小説『暗闇坂』の舞台にもなっています。

大黒坂・暗闇坂
暗闇坂
名称 暗闇坂/くらやみざか
所在地 東京都港区元麻布1〜2
関連HP 港区観光協会公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ・都営地下鉄麻布十番駅から徒歩2分
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
大黒坂

大黒坂

港区元麻布1丁目、赤い靴の女の子・きみちゃん像のある麻布十番・パティオ十番から西の麻布一本松へと上る坂道が、大黒坂。坂の中ほど、北側に慶長2年(1597年)創建で、最澄(伝教大師)作と伝わる三神具足大黒尊天(港区七福神のひとつで秘仏)を祀る

狸坂

狸坂

東京都港区元麻布2丁目と3丁目の間、西側から麻布一本松へと上る坂道が、狸坂(たぬきざか)。江戸時代、人を化かす狸が出没したというのが名の由来で、西から東へ向かう坂のため、日の出を意味する旭坂とも称されていました。江戸時代には人を化かす狸が出

於多福坂

於多福坂

東京都港区六本木5丁目、鳥居坂の東、南北に通る坂道が、於多福坂(おたふくざか)。江戸・東京の坂道の中でもひときわユニークな坂名ですが、坂を下ると途中でいったん緩やかになり、また傾斜が加わって下り道となることから顔の真ん中の低いお多福面の形状

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ