栃木県の最高峰は、白根山(日光白根山)で、標高2578m。群馬県との県境にあり、群馬県の最高峰にもなっています。実は、関東以北の最高峰。意外なことに標高TOP10はすべて日光国立公園で、しかも日光市内。那須連山は標高が2000mに満たないためランク外になっています。日光恐るべし。
意外にも山岳地帯の日光で、中世に山岳信仰が誕生
日光の山々は火山群ですが、有史以来の噴火の記録があるのは、白根山だけです。
気象庁が活火山に認定するのは、白根山と、男体山。
中世の山岳信仰で日光三山と称して修験道の修験の場となったのは、男体山(標高2位)、女峰山(3位)と太郎山(8位)。
神仏習合時代の日光山は、新宮権現(男体山の神)、滝尾権現(女峰山の神)、本宮権現(太郎山の神)が日光三社権現で、神仏習合が進展し、三山(男体山・女峰山・太郎山)三仏(千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音)三社(新宮・滝尾・本宮)を同一視する考えが整ったのです。
太郎山が男体山と女峰山の長男という位置づけで、男体山、女峰山の間にある大真名子山(4位)、小真名子山も子供という関係です。
明治の神仏分離以降は、日光は輪王寺、東照宮、二荒山神社の2社1寺に分かれていますが、江戸時代までは全体が日光山と呼ばれる聖域でした。
当時の登山、つまり入峰修行はこれらの神仏への信仰を深めるための修行だったのです。
栃木県の山 標高TOP10
順位 | 山名 | 標高 | 市町村 | 備考 |
1位 | 白根山 (しらねさん) | 2578m | 日光市 | 日光国立公園 群馬県との県境 中禅寺湖から眺望可能 通称・日光白根山 日光白根山ロープウェイ利用可能 山頂に溶岩ドームのある活火山 日本百名山(奥白根山として) |
2位 | 男体山 (なんたいさん) | 2486m | 日光市 | 日光国立公園 日光連山の主峰 日光三山の一座 三角点は2484.1m (一等三角点・男体山) 日光二荒山神社の境内地 冬期は入山禁止 日本百名山 |
3位 | 女峰山 (にょほうさん) | 2483m | 日光市 | 日光国立公園 日光連山第二の高峰 日光三山の一座 男体山の北東 三角点は2463.6m (二等三角点・女峰山) |
4位 | 大真名子山 (おおまなごさん) | 2375.5m | 日光市 | 日光国立公園 日光連山第三の高峰 日光連山縦走路途中 三等三角点・大真名子山 山頂に大真名子山神社 溶岩円頂丘 |
5位 | 前白根山 (まえしらねさん) | 2372m | 日光市 | 日光国立公園 白根山の山上、五色沼の東 高山植物の女王コマクサの群落 |
6位 | 帝釈山 (たいしゃくさん) | 2455m | 日光市 | 日光国立公園 日光連山 女峰山から馬の背渡りで到達 |
7位 | 錫ヶ岳 (すずがたけ) | 2388.2m | 日光市 | 日光国立公園 群馬県との県境 白根山から南へ続く稜線上 奥日光でも最奥の山 錫ヶ岳溶岩で形成 |
8位 | 太郎山 (たろうさん) | 2368m | 日光市 | 光徳牧場の北東 日光三山の一座 男体山、女峰山の長男 山自体が御神体(太郎山権現) 頂上部は溶岩ドーム 旧火口が「お花畑」(地名) 山王峠から登山可能 |
9位 | 温泉ヶ岳 (ゆせんがたけ) | 2333m | 日光市 | 日光国立公園 群馬県との県境 金精峠の北側、稜線上 勝道上人が命名した山 湯元温泉の背後にそびえる峰 |
10位 | 根名草山 (ねなくさやま) | 2330m | 日光市 | 日光国立公園 温泉ヶ岳から北に伸びる稜線上 金精峠、奥鬼怒温泉郷から登山 |
【標高ランキング】栃木県の山 標高TOP10 | |
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