2025年夏。立山黒部アルペンルートの最高所、室堂にあるミクリガ池で熊の泳ぐ姿が目撃されていますが、富山県はほぼ全県が熊の生息エリア。生薬で名高い富山ですが、伝統の和漢生薬製剤「熊胆圓」(ゆうたんえん)はもともとは立山連峰に生息するツキノワグマの胆汁を乾燥させた生薬です。
熊の胆汁を使った生薬「熊胆圓」で知られる地

「熊胆圓」は二日酔い、胃の不快感などに効果のある健胃整腸剤ですが、現在ではツキノワグマの胆汁、つまりは熊胆(ゆうたん)ではなく、牛胆が使われるのが一般的。
ツキノワグマは関東地方などでは絶滅危惧種に指定されていますが、富山県では比較的に数も安定(もしくは増加傾向)にあります。
それでも富山県は「イノシシなど、そのほかの野生動物と比べて繁殖力が弱く、個体数が減少しやすい野生動物」としていて、「被害防除」、「生息環境管理」、「個体数管理」ということで、個体数の維持を図り、「絶滅させるほど捕獲することはありません」と説明しています(ただし、人里に現れた熊は、駆除の対象に)。
富山県では2025年10月下旬からツキノワグマによる人的被害が多数発生し、「富山県ツキノワグマ出没警報」を発令しています。
駆除数も年間の捕獲制限である170頭に迫る勢いで、出没地帯の民家では柿の木を伐採するなどの対応をとっています。
被害が深刻だったという2023年を上回る勢いで、富山県では「熊が市街地にも出ているという状況なので、仮に上限の170頭を超えても単年度の管理ではないので問題はない」としています。
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