【地図を旅する】vol.26 伊豆高原に巨大な廃ループ橋が!

赤沢八幡野連絡橋(渡辺橋)

伊豆のループ橋といえば、伊豆に詳しい旅好きの人なら、すぐに天城越えの高低差を克服する河津七滝ループ橋(昭和56年完成)を思い浮かべるでしょう。ところがその完成以前に、伊豆高原(静岡県伊東市)に立派なループ橋が築かれ、今では廃道に。伊東でも知る人も少ない廃ループ橋です。

短い期間だけ通行できたという証言も

赤沢八幡野連絡橋(渡辺橋)
国土地理院の地形図にもループ橋が描かれています

伊豆高原の別荘地開発が始まったのが昭和32年(大室高原別荘地=大室山の山麓一帯が「大室高原」と命名され、別荘地に)のこと。
昭和13年に伊東駅が開業していますが、当時の別荘地といえば、熱海〜伊東温泉街周辺に限られていました。
駅へのアクセスと海の眺望が重視され、山の上に別荘が建てられるようになりましたが、用地不足から、高度経済成長期に、伊豆高原の大規模な別荘開発が始まったのです。

昭和49年、八幡野地区に新たな別荘地開発のため、工事車両の通行を目的に築かれた巨大なループ橋が、正式名・渡辺橋、通称が赤沢八幡野連絡橋(あかざわやわたのれんらくきょう)です。
予想したほど分譲は進まず、昭和53年、開発会社は倒産。
八幡野地区の別荘地開発が中断したため、完成直後に破棄され、荒れ放題に。

平成10年頃に橋の一部は崩落していますが、かつては廃道マニアが、橋の上を歩いたこともあったようです(現在は極めて危険なため、立ち入ることはできません)。

赤沢八幡野連絡橋(渡辺橋)
脇を走る車道から見上げることも
【地図を旅する】vol.26 伊豆高原に巨大な廃ループ橋が!
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日本ループ橋総覧(1)河津七滝ループ橋

「ループ橋フリーク」がいるほど、注目を集める存在がループ橋。英語ではspiral bridge、loop bridge、pigtail bridgeが正しい表現ですが、ここでは日本国内一般的な呼称であるループを使います。ループ橋総覧の筆頭は

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ラジオ・テレビレジャー記者会会員/旅ソムリエ。 旅の手帖編集部を経て、まっぷるマガジン地域版の立ち上げ、編集。昭文社ガイドブックのシリーズ企画立案、編集を行なう。その後、ソフトバンクでウエブと連動の旅行雑誌等を制作、出版。愛知万博公式ガイドブックを制作。以降、旅のウエブ、宿泊サイトにコンテンツ提供、カーナビ、ポータルサイトなどマルチメディアの編集に移行。

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