かつて蒸気機関車を扇形をした車庫に入れ、その車庫の前に転車台を設けるという機関庫が全国の鉄道拠点にはありました。京都鉄道博物館にある扇形機関庫は、国の重要文化財です。各地の扇形機関庫と転車台はその役割を終えていますが、郡山総合車両センター会津若松派出(会津若松駅)のものは、今も現役です。
「走る貴婦人」C57-180が転車台で方向転換、入庫

なぜ現役なのかといえば、会津若松駅〜新津駅の磐越西線に「SLばんえつ物語」が走り(1999年4月〜)、牽引する「走る貴婦人」C57-180がここに置かれているためです。
折り返しとなる鉄道の街・新津にも転車台があるので、会津若松駅〜新津駅で今もSLを走らせることができるのです(転車台がない場合は逆向き走行となります)。
C57形蒸気機関車の転車台での回転、扇形庫(せんけいこ)への入線というのが折り返し運転に向けた準備作業ですが、通常は非公開のため見学はできません。
JR東日本が実施する『扇形庫転車台見学会 in 会津若松』など、イベント時のみ人員限定で特別公開されています。
扇形庫は、転車台を軸として複数の車庫が扇のように広がる構造を持つ鉄道施設で機関車の方向転換と格納を同時に行える合理的な設計。
この扇形庫と転車台という組み合わせは、鉄道の発展に大きく貢献したのです。
後に、ディーゼル機関車、さらに電化された区間では電気機関車に代わり(両運転台)、方向転換の必要がなくなったため、お役御免に。
郡山総合車両センター会津若松派出(会津若松駅)のように転車台を含めて現役なのは、まさに鬼籍ともいえる存在なのです。
会津若松の扇形庫は鉄筋コンクリート構造で、収容本数15線という大型。
全国に数ヶ所しかない現役の扇形機関庫としても日本最大です。
「SLばんえつ物語」だけのためにあるのではなく、通常は只見線を走るキハ110系、E120系が入庫しています。
郡山総合車両センター会津若松派出という名の通り、車両基地になっているのです。
昭和初期に完成した転車台と扇形機関庫は、「全国に遍く人と物を運び産業近代化に貢献した鉄道施設の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の近代化産業遺産にも認定されています。

| 【地図を旅する】vol.40 巨大な「扇形機関庫&転車台」が会津若松に、しかも現役! | |
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