徳島県三好市池田町にあるJR土讃線(どさんせん)の駅が坪尻駅(つぼじりえき)。四国では、同じ土讃線の新改駅(しんがいえき)とともに2ヶ所しかないスイッチバック駅になっています。国道32号近くの高台に坪尻駅展望台(落展望台)が設けられているほどのスイッチバックでは人気の駅になっています。
駅前には山道のみという秘境駅
土讃線は香川県と徳島県の境界にある讃岐山脈を越え、さらに吉野川沿いに遡って、四国山地を越えて高知平野に入りますが、讃岐山脈を越えの標高差をスイッチバックで克服するのが坪尻駅、そして四国山地越えが新改駅というわけなのです。
下り列車は香川・徳島県境の猪ノ鼻峠(いのはなとうげ/550m)の下を長大な猪ノ鼻トンネル(3845m)で抜け、坪尻駅へと入りますが、標高272mの地点にあるのが坪尻駅。
周囲には民家がなく秘境駅のひとつ。
最寄りの木屋床(こやとこ)集落までは徒歩30分、しかも駅へは車道がないため、徒歩での到達となります(国道32号からも山道を徒歩で)。
ホームも1面1線しかないため、普通列車同士の列車交換(すれ違い)もできないため、普通列車同士が行き違う場合には、どちらか一方は必ず通過となります。
昭和4年4月23日に 坪尻信号場として開設され、昭和25年1月10日に駅に昇格し、旅客営業、小荷物営業を始めています(昭和45年10月1日、無人化)。
どうしてこんな山中に駅をつくったのかといえば、25‰という急坂とトンネル(猪ノ鼻トンネルは当時、四国最長)は鉄道敷設当時の蒸気機関車にとっては大敵。
乗務員が一酸化炭素中毒で死んでしまう危険性もあったのです。
そうした問題に対処するため、平坦地にホームを確保するため、スイッチバック式の駅を築いています。
集煙装置を付けた機関車が投入されましたが、それでも煙害には悩まされたため、四国管内では土讃線に優先的にディーゼル機関車、ディーゼルカーが投入され、昭和39年、無煙化を達成しています。
坪尻駅のスイッチバックの引上線は、ホームに並走しているため国土地理院の地形図やGoogle マップでも表示されず、坪尻駅展望台(落展望台)から眼下にしてようやくはっきりとわかるということに。
坪尻駅(スイッチバック駅) | |
名称 | 坪尻駅(スイッチバック駅)/つぼじりえき(すいっちばっくえき) |
所在地 | 徳島県三好市池田町西山立谷 |
ドライブで | 徳島自動車道井川池田ICから約7.5km |
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