筑波山ケーブルカーが開業100年

筑波山ケーブルカー

筑波山ケーブルカー(筑波観光鉄道筑波山鋼索鉄道線)は、大正14年10月12日に開業。つまり令和7年10月12日で開業100周年ということに。戦時下に不要不急線として廃止され、復興するまで10年ほど空白期間があるため実際の運営期間は90年ですが、開業からは100周年ということになります。

現在使用される車両は5代目の「わかば号」、「もみじ号」

筑波山ケーブルカー

関東では、箱根ゴールデンコースの一部となっている箱根登山ケーブルカー(小田急箱根鋼索線)が大正10年12月1日で最古の歴史を誇っていますが、筑波山ケーブルカーにそれに次ぐもの。

明治〜大正時代、関東の私鉄は自社への参詣者を輸送するために開通したものも多くありましたが、登山鉄道も宗教登山が盛んな霊山(関東では筑波山を筆頭に、御岳山、箱根・駒ヶ岳、丹沢・大山など)に開業したものがほとんどです。

筑波山は山全体が筑波山神社(神仏習合時代は中禅寺で、筑波両大権現)の御神体。
今も筑波山ケーブルカーの宮脇駅(山麓駅)近くに拝殿、双耳峰の男体山山頂に男体山本殿、女体山山頂に女体山本殿があります。
男体山山頂近くの御幸ヶ原にあるのが筑波山頂駅なので、拝殿と本殿を結び、歩かずに参拝できる登山鉄道となっているのです。
駅横の「コマ展望台」は関東地方を一望にする眺望が自慢ですが、かつてはブームだった回転する機能を有した回転展望台でした(現在は回転しませんが展望レストランとして営業)。

現在運行される車両は、5代目となる「わかば号」と「もみじ号」。
全長1634m、高低差495m、最大勾配約20度の斜面を、20分間隔で運行しています(所要時間は8分)。
ケーブルの両端につないだ車両を歯車で同時に動かす「つるべ式」と呼ばれる方法で山頂駅から遠隔操作されていますが、架線はなく車載の蓄電池で動いています。
この特殊な方法は、山麓石岡市柿岡にある気象庁地磁気観測所(直流方式の電車が走る地を避け、設置)の観測精度に影響を及ぼすことを防ぐためとのこと。

筑波山ケーブルカー
コマ展望台と男体山
筑波山ケーブルカーが開業100年
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筑波山ケーブルカー

関東で「西の富士、東の筑波」と称される筑波山は男体山と女体山の2峰からなる双耳峰。筑波山ケーブルカーは筑波山神社横の宮脇駅から標高870mの男体山の頂上駅までを8分で結んでいます。大正14年10月に営業開始という歴史あるケーブルカーで、山頂

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